Lyric

しとしとと…

誰そ彼の空、記憶は濡れ

人知れず 心に残るは

忘れ得ぬ ひとの声

静けき街に 雨、優しく

遥かな日々が 胸を打つ

終わりを告げたその時も

なぜだろう 君を思い出す

雨粒(あまつぶ)ひとつ 地に落ちて

そのたび君の 声が響く

交わした言葉の記憶が

今もなお 心を縛る

幾千の雨が過ぎ去れど

あの日の君は 消えはせぬ

心の奥に そっと咲く

忘れ得ぬ 掛けがえのない記憶

雨のささやき 時をこえて

胸に流れる 幻のように

失われしものたちの調べ

いま 静かに甦る

この鎖を 断ち切れず

過ちもまた 愛の形

雨に滲む 君の面影

私の中で 生き続ける

雨が止むたび 想いは深く

空に浮かぶは 君の影

ただ一度 すべてを許せたなら

どれほど安らかだったろうか

振り返ることすらも 罪と知り

それでも君を 探してしまう

日常が語らぬ 小さな真実

それが 我が心のすべて

幾夜の雨に 祈りを込めて

もう一度だけ 声を聴かせて

胸の奥で 灯(とも)り続ける

愛という名の面影よ

雨のささやき　止むことなく

今もどこかで　君を呼ぶ

時を越えても　変わらぬ想い

それは　私の生きる証

さよならを告げた　あの夜に

交わした最後の微笑みを

この胸に刻み　私は行く

終わらぬ雨を　背に受けて