

曇ったガラスの向こうの 道徳
磨きすぎて 指先から血が滲(にじ)む
君は「直そうとしているだけ」と言うけれど
その言葉が 僕から呼吸を奪っていく
僕の溜め息を 論理で綺麗に縛り上げ
「普通」を掲げて 感情を裁きにかける
「痛い」と言えば 「弱い」と切り捨てられ
涙を流せば 論点をすり替えられる
僕の声は いつも訂正され続けて
誰でもない誰かへ 消えていく
正義が 牙を剥(む)き出し
静かに 喉元を締め上げる
愛の形をしたナイフ 無意識で冷徹な刃
「自分は間違っていない」という その顔で
僕の残骸を 削り取っていく
優しさで編まれた 檻(おり)の中で
息ができない
静かな正義
君は決して怒鳴らない 殴りもしない
だからこそ 逃げ場なんてどこにもない
謝罪の言葉には いつも裏があって
「でも」「だって」が 僕をまた沈めていく
何かが壊れる音は 誰にも届かない
外側は笑って 内側は空っぽなまま
疑うのは いつも僕の方で
君はどこか 高い場所に立っている
無自覚に 境界線を踏み越えて
君の「正解」を 振り下ろすんだ
僕を守っているつもりだろうけど
僕は少しずつ 消えていくんだ
触れられない場所が
僕の中で 広がっていく
僕を救っているつもりだろうけど
僕は空気みたいに 薄くなっていく
名前を奪い去る
穏やかな暴力
正しいけれど 優しくはない
白か黒か その間に余白はない
どれほどの人が その断絶に溺れただろう
正解なんて 一つじゃない
ただ それだけのことだったのに
正義が 牙を剥(む)き出し
また 音もなく迫ってくる
無意識という名の 玉座から
審判が 終わることはない
「間違っていない」ことが もしも
すべてを壊す 理由になるのなら
沈黙さえも
一つの悲鳴だ
静かな正義
- 作詞者
Kine Lune
- 作曲者
Kine Lune
- プロデューサー
Kine Lune
- ボーカル
Kine Lune

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Kine Lune
アーティスト情報
Kine Lune
作詞、作曲を手掛けるアーティストプロデューサー ポップ&キャッチーなメロディー。言葉遊びで表現し、一聴しただけで思わず口ずさんでしまう歌で世代に圧倒的な支持を得ている。
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