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【 白いヴェールが覚めるまで。 】
まだ夜の気配を残す静まり返った朝方の森を歩いていると、足もとから立ちこめる朝靄が、あたり一面を白いヴェールのように優しく包み込んでくる。 やがて、まだ見えぬ太陽が空気をほんのりと薄紅色に温めると、かすかな陽の息吹が溶け合い出す。 そうしているうちに迎える、力強く空へと昇っていく日の出の刻。まさにその一瞬、白から黄金のヴェールへと世界は劇的に姿を変え、眩い光の幻想に満たされていくのだ。
レコーディング直前、突如舞い降りたイントロによって、その場のインプロヴィゼーションで生まれ落ちた曲。 彼女が暮らす森で年に一度出会えるかどうかというこの情景は、一日の時の流れを描いた1stアルバム『Garden』において、独特な空気感で朝の訪れを告げることとなった。 その神秘的な一瞬のチャイムは、まるで欧州の街に響き渡る無数の教会の鐘が、新しい朝の始まりを祝福するように響いてくる。
始まりの歌声――まるで朝靄を連れて来るような、深くアンニュイな響き。 これまでの繊細で透き通る彼女の歌声の印象を鮮やかに裏切るその一音で、この物語は静かに動き出す。
立原 綾乃 ( Ayano Tachihara ) 音楽家 ・ 歌い手 物心ついた頃から、内なる静寂に響く旋律を大切に紡いで来た。 信州・軽井沢の豊かな森に暮らしを置き、15年にわたり森の呼吸に耳を澄ませ、自然と共に生きる中でその表現を育む。 その道のりのなか、2019年より自身の作詞作曲集を携え、即興を交えて歌い始める。「その瞬間の響きこそが最も純粋な音楽である」との信念から、機が熟すのを待つかのように、ライブ活動のみに徹してきた。後にその響きを形に残していくために、世界的な音響家 オノ セイゲン氏を迎え、自身の拠点でのレコーディングに踏み切る。 彼女の放つ音楽は、透き通るような繊細さと奥深く凛とした力強さを併せ持つ歌声、寄り添い溢れるような静謐なピアノによって、その場の空気をしなやかに整え、聴く人の心に温かい光を灯す。 2026年、立春。初のレコーディング作品 『 いざない (The Call) 』 を満を持して配信リリース。冬の雪の中から清らかに響きわたる産声が、世界を旅して、小さな春の光を宿す。 彼女の真実の旅がいよいよ始まる。
SHIRO RECORDS