

まじめだけを着込むような
目立たぬ人生だった
出世したい気持ちはあっても
現状維持を選んできた
人の顔色 空気ばかり
読んでは飲み込んできた
ビール片手の野球観戦が
ひとりの居場所だった
子どもたちは巣立った
気付けば二人きり
同じ屋根の下にいても
沈黙が時を刻む
すれ違うだけの毎日
家の中はとても静かで
食器と時計の音だけ
笑い声はどこかへ消えた
ある日 駅前の灯りの下で
君は誰かの隣で笑ってた
何年ぶりだろう その笑顔
胸が痛いのに綺麗だった
令和のジェントルマン
平凡だけが取り柄だった
君の心のざわめきも
気付かぬまま季節は過ぎた
令和のジェントルマン
僕は紳士になれなかった
穏やかな日々に埋もれて
君のため息 見逃していた
なけなしの貯金下ろして
ネオンきらめく繁華街
若い女性に囲まれて
仕返ししたつもりだった
財布の中の名刺たち
自分の存在確かめるように
見返してみるけど逆に
むなしさだけが募ってゆく
自宅の明かりは消えている
迎えるのは静寂だけ
鏡の中にたたずむ男は
自分と向き合わない奴だった
窓の外 激しい雨音
君はどこにいるのだろう
何時に帰るか分からない
そして誰といるのかも
雷が激しく鳴り響く
この心を切り裂くように
僕は名刺を破り捨てた
君の帰る場所でいたかった
ガラスのジェントルマン
平穏という言い訳を重ね
傷つきたくなかったのは
自分だったのかもしれない
令和のレイニーマン
心が雨に打たれることも
君が涙で染まることも
臆病な僕は見ないふりしてた
改札の向こう 小さく歩いてる
君はもう笑ってなかった
僕は「大丈夫かい?」と傘を差しだす
これ以上 心が濡れないように
令和のジェントルマン
最後に守りたかったもの
男としての見栄じゃない
君と歩く帰り道
令和のジェントルマン
紳士と淑女じゃなくていい
同じ色じゃなくてもいい
二人の光を重ねよう
君は傘を閉じたままで
僕の傘へそっと入った
雨はとっくに止んでいたけど
寄り添い 歩き続けた
- 作詞者
東晄
- 作曲者
東晄
- プロデューサー
東晄
- ボーカル
東晄

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令和のジェントルマン
東晄
『令和のジェントルマン』は、子育てを終えた一人の男性が、夫婦のすれ違いと向き合いながら、本当の優しさとは何かを見つめ直していく物語です。
仕事や責任を果たしてきたつもりでも、最も大切な人の心の声には気付けなかった。そんな後悔と孤独、そして再び歩み寄ろうとする勇気を描いた大人のラブストーリー。
派手な成功ではなく、平凡な日々の中にある愛情や絆の尊さを、温かく切なく歌い上げたミドルエイジ世代への応援歌です。



