

笑って話す つもりだった
買ってきたパンを 並べながら
「どうしたの」って 聞かれたら
目元だけが うまく笑えない
あなたの前で 泣けた夜
隠した顔を 上げられた
うまく話せなかったけど
今日は帰ってほしくなかった
好きだと言うには 怖くても
その手に触れて いたかった
何も決まらない 私の横で
コーヒーがふたつ 冷めていた
駅前から続く 花屋の前
ふいにあの日の 匂いがした
隣で話す あなたの声
返事がひとつ 遅れた
「疲れた?」って 聞かれてまた
「ちょっと」なんて うそをついた
合わせてくれた 歩幅のぶん
胸のあたりが 痛くなった
ティッシュの箱を 差し出されて
「ごめん」が先に こぼれた
あなたは少し 考えてから
座り直して 待っていた
あなたの前で 泣けた夜
隠した顔を 上げられた
うまく話せなかったけど
今日は帰ってほしくなかった
好きだと言うには 怖くても
その手に触れて いたかった
何も決まらない 私の横で
コーヒーがふたつ 冷めていた
「まだ思い出す 人がいる」
膝を抱えて 話した
あなたが黙った その数秒
時計の針の音だけが 響いた
「そっか」と言って 伏せた目を
見たら何も 返せなかった
優しいからって 平気じゃない
分かっていたのに 甘えてた
「今すぐ何か 決めなくていい」
少し迷って あなたは言った
帰り道 その袖に
初めて私から 触れた
あなたの前で 泣けた夜
あなたも少し 寂しそうだった
その顔を見て 初めてちゃんと
あなたの気持ちを 聞きたくなった
好きだと言うには 早くても
また会いたいは 言えたんだ
冷めたコーヒーを 淹れ直して
今度はあなたの 話を聞いた
忘れるために 会うんじゃなく
でも答えは 持っていない
それでも 会いたくなるから
- 作詞者
SHAN
- 作曲者
SHAN
- プロデューサー
SHAN
- ボーカル
SHAN

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わがまま
SHAN
HANのシングル『わがまま』。繊細なアコースティックギターと感情のにじむ女性ボーカルが、過去の恋と目の前の優しさの間で揺れる心を映し出す。自分の寂しさだけでなく、隣にいる人の痛みにも気づいた夜。まだ「好き」と言い切れない恋の始まりを、静かに歌う。
アーティスト情報
SHAN
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