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風にゆれるカーテンのように、
目には見えなくても、たしかにそこにある気配。
東京発シューゲイズバンドKILDRENの新曲“Phantom Swayed” は、触れることのできない存在が、空気や光となって心をなぞる——
そんな優しくも切ない想念を、音で描いた祈りのような一曲。
深く滲むコーラスが折り重なり、記憶と幻のあわいを漂うような、幽かなサウンドスケープ。
UKシューゲイザーの源流、SlowdiveやCocteau Twinsに連なる、瑞々しくも幻影的な響きが空間を満たしていく。
とりわけ、曲の中盤——寄せては返す波のように、ギターのレイヤーが静かに重なりはじめる。
ひとつひとつの音が呼応しながら、少しずつ、少しずつ熱を帯びていき、気づけば音のうねりが聴く者の内側を揺らし始める。
そしてその静かな昂りは、ある瞬間にふっと解き放たれ、まるで長い夢のなかで見た光景が一瞬だけ鮮やかに焼きつくように、感情のダイナミズムが音とともに昇華する。
その一瞬に宿る美しさこそ、シューゲイザーという音楽がたどり着く、儚くも鮮烈な快感なのかもしれない。