Lyric

死体の含有量が規定値を超えた

地面をさらに死体で埋め立て

やっと建てた 30年ローンで建てた

念願の小さなおうち

明日も明後日も同じ様に

日は登り いつもどおり

取り憑かれたように 喪服を用意

病院へ続く

恐ろしく長く暗い道の方に

車の中 ただ黙っていた

祖母のように

白いシーツで覆われた

枕元の蝋燭に

線香にそっと火をつけて

消えないように

脳裏に氷のように

かすめた理想郷に

ぼくらが手で触れたいものは

ぼくらが寄りすがるものは

どうか どうか 実印か直筆か

本人確認書類がほしい

たった一枚の紙の上で ぼくら

生きさせてもらえるかも

しれないから

どうか どうか 凍てつく夜に

あのマネキンの 毛皮がほしい

隠していたら 腐った傷を

また 隠せるかもしれないから

死体の含有量が規定値を超えた

地面をさらに死体で埋め立て

やっと建てた 30年ローンで建てた

念願の小さなおうち

明日も明後日も同じ様に

日は登り いつもどおり

取り憑かれたように 喪服を用意

病院へ続く

恐ろしく長く暗い道の方に

車の中 ただ黙っていた

祖母のように

白いシーツで覆われた

枕元の蝋燭に

線香にそっと火をつけて

消えないように

脳裏に氷のように

かすめた理想郷に

ぼくらが手で触れたいものは

ぼくらが寄りすがるものは

どうか どうか 弊社の監理のもと

製造された 未来がほしい

石の下で 蠢く虫のように

人間になれるかもしれないから

どうか どうか グラム数あたり

割安な 赤ちゃんがほしい

優しくこの手に抱けば

愛しさに 目を閉じられるかも

しれないから

明るく元気に力を合わせて

手を取り合って

頑張って生きましょう

と言われたところで

ぼくら もう とっくに

疲れてしまったんだ

ぼくらが手で触れたいものは

ぼくらが寄りすがるものは

ぼくらを消し去るために

あるのかもしれない