

炎天いまだ衰えず
白き雲は天高く連なれど
ひとすじの風 袖をかすめて
季は密やかに歩みを移す
声高き蝉も
やがて夕闇に溶けゆきて
木々の葉擦れのみ
時の移ろいを語り始む
涼風至る
目には見えねど
秋は風の裾に宿りけり
燃ゆる西空を越え
静けさひとひら 野辺に降る
花は盛りを惜しまず
水は絶えず流れゆく
留まるものなき世なればこそ
今この風の尊し
遠き山の端は霞み
月はなお満ちざれど
夜の深みに耳澄ませば
虫の音ひとつ 生まれけり
涼風至る
夏は去るにあらず
ただ名を変えて巡りゆくもの
今日吹く風は
明日の実りを告ぐる風なり
掌に受けし風は留まらねど
心に残るその気配のみ
季節は言葉なくして
人の時を照らしゆく
- 作詞者
Valerie Enfield
- 作曲者
Valerie Enfield
- プロデューサー
Valerie Enfield
- キーボード
Valerie Enfield
- シンセサイザー
Valerie Enfield
- ボーカル
synthetic voice
- プログラミング
Valerie Enfield

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涼風至
Valerie Enfield
「霞始靆」「春が立つ」「やがて季節は熱を帯びる」「蓮始開」に続く二十四節気/七十二候シリーズの第5段。炎天の名残と秋の気配が交錯する風景を描いた叙情的な詩世界。涼風の訪れとともに、蝉時雨から虫の音へと移ろう季節の境界を、繊細なエレクトロニカの音像で静かに描き出す楽曲です。



