歌詞

かさり　かさり　道がやわらかく鳴る

並木道に黄色が降って

足もとで地図が生まれる

猫と歩幅を合わせながら

呼吸のテンポがそっとそろう

指先に触れる陽だまり

胸の鼓動がやわらいでいく

落ち葉のワルツに身をまかせて

今日の言葉をほどいていく

くるり回る影のリズムで

明日の入口を見つけ出す

ベンチの木目が道しるべ

遠くの電車が低く鳴る

猫のひげがきらりと揺れて

笑みがひとつこぼれ落ちる

ひと呼吸して目を閉じれば

風がページをめくってくれる

落ち葉のワルツに身をまかせて

言葉はそっと澄んでいく

金色の粒のぬくもりだけ

胸にしまって歩いてく

靴先で小さな円を描き

猫がしっぽで合図をする

並んだ影が少し長くなって

角の向こうに夕暮れが待つ

ポケットの中のメモ一枚

「今日はゆっくりでいい」

読み返すたびに風が微笑む

落ち葉のワルツに身をまかせて

今日のページをとじていく

やわらかな光に手をひかれて

明日のページをひらいていく

同じテンポでならぶ足音が

静かな終止にほどけていく

影法師を二つ連れて

猫と家路の角を曲がる