Lyric

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ここまでのあらすじ——

地球が滅んでから、どれくらい経ったのか覚えていない。

何故か、薄く地球時代の記憶を持ちながら目覚めたミマサカは、再配置された新しい居住区に運ばれる

そこはローソン。ローソンしかない。とにかくローソンだった

周囲の人間はそれが当然だという顔で暮らしている。特に何かに襲われるわけでもないが、何も生まれない。

それがユートピアか、ディストピアか、自分にはまだわからなかった。

スローライフのような日々が淡々と過ぎていくと思っていた——

ある日、突然、緑の光が差し込んだんだ。

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引っ越したこの街は街ではなく、ローソン。

駅前も裏路地もぜんぶ青と白、てか駅なんてないぞ

そりゃ最初は驚いた、

ポストも神社も役所も消失中

マンションは？ え、ないよ？

理不尽に更新中

Oh ローソン どこまで行ってもローソン

薬局も病院も 全部おにぎりで代用

外国人は変身、からあげクンのクローン

殺すぞ

外に出ようとしたドアの先も、

またローソンの入り口 フロートゾーン

スイーツ、新発売。（️）毎日が再放送

迷ってるフリすら出来ない

みんな同じ履歴書　倍率も何もない

現実か夢か、その隙間で彷徨う未来

みんな黒髪 バイトリーダーは茶髪の時代

災害放送「いらっしゃいませ」で開始

スイーツ新発売、それが唯一の通知

Oh ローソン 火星にはセブンイレブンがあるという

ポンタカードでリスカした女子高生のレビュー

四足歩行でポイント倍ビュー

掃除中は全員アウトオブビュー

「都」ってなんだろう、

意味なくてもナチュラル・クルーズ

温めてください　ユートピアにスムーズ

ナチュラルもセレクトも、影も形もない

全部レギュラー青白、シンボルサイズ

たまにくる知らない制服、

「補充しに来た」と去るミステリーファイル

宅配便に入ってたスプーンには、

「自由とは？」ってファイナルサイン

外の概念は崩壊、それでも冷蔵庫の管理は正確スタイル

世界の終わり、僕等はプリンと一緒にスイートタイム

ドアの音、Pi ! 電子音、Pi !

レジの奥のミラーピット

一度だけ見たその光

それは多分、きみだったモノローグ・イン

Oh ローソン

君と出会って、おにぎりをはんぶんこ

それだけで、ちょっと火星っぽかった

それだけで、ちょっと宇宙だった

だったということで

ある朝、緑の光が差し込んでた

音もなく、風もなく、只

そこに「ファ」の字が立っていた

噂はすぐに広まった

チルドコーナーに音楽が鳴ってるらしい

地響き、レジスキャナが震え出し

ファミマがやってきた日

この街はふたつに分かれていく

南はファミマ、北はローソン

あの日から、地図は2色に分離

レジ袋の旗が揺れるデモ行進列

青と緑の狭間に生まれた白いエリア、ポイントも通用しない

誰もアクセスできない、神のバッファー・コーン

Oh ローソン ファミマがやってきた日

ローソン・ユートピアは終焉し

だけど誰も泣かない、スイーツが並んでるし

見つめ直した、自分の意思

「選ばれる」ことの意味　そうして

ローソンはローソンに

今ではあの街にセブンもある

火星と交信してる通信サーバ

でも僕は忘れない、あの捻れた記憶

ローソンしかなかった、あの空虚な日常

君とおにぎりを分け合った、あのイカれた午後

それだけで、ちょっと地球っぽかった

それだけで、たぶん僕らは「しあわせ」だった

スイーツ？また新発売。

それだけは変わらない