

風だけが
倒れた旗を起こそうとしている
もう誰も
その名を呼びはしないのに
崩れていくものが見えた
城でも 国でもなかった
交わしたはずの約束が
音もなく形を失った
言葉を並べれば届くと
正しさを示せば分かると
人の心を知らぬまま
私は地図だけを信じた
誰かが立たねばならないと
そう思ったことまで
敗北と呼ばれるのなら
何を信じればよかった
まだ消えない
土の底で鳴る声が
敗れた旗の向こうから
私の名を呼び続ける
勝者の朝が来るたびに
昨日は塗り替えられても
あの日掲げたものだけが
”義の残響”になる
裏切られたと言うことは
あまりに容易すぎるから
背を向けた者の瞳を
私は見ようとしなかった
恐れも 迷いも 暮らしも
それぞれに抱えていたのに
理(ことわり)だけを刃に変えて
同じ場所へ追い立てた
私が守りたかったもの
それは誰のためだった
豊臣という名の下で
自分を守っていただけか
まだ消えない
胸の奥に刺さる声が
正しかったと叫ぶほど
答えは遠くなるばかり
勝てなかったその日から
すべてが罪になるのなら
敗者に残る真実は
誰が拾うのだろう
家康を憎んだのか
時代を恐れたのか
忠義と呼んだこの願いは
ただの執着だったのか
分からない
今も分からない
ただ一つ分かるのは
黙れば何も残らない
まだ消えない
首(こうべ)を垂れて歩いても
嘲りの声のその奥で
確かに響くものがある
勝者の筆がこの命を
愚かな夢と記しても
信じたことの傷跡は
誰にも消せはしない
夜が明けても
旗が朽ちても
名もなき声に受け継がれ
いつか誰かが振り返る
それが正義でなくていい
美しい忠義でなくていい
私はここに立っていた
”義の残響”として
風だけが
倒れた旗を起こそうとしている
もう誰も
その名を呼びはしないのに
- 作詞者
ドラマチカ
- 作曲者
ドラマチカ
- プロデューサー
ドラマチカ
- ボーカル
ドラマチカ

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義の残響
ドラマチカ
石田三成が、敗北のあとに自らの「義」を問い直す。
忠義だったのか、執着だったのか。
正しかったかではなく、「私はここに立っていた」という痕跡を残すための歌。
※史実をもとに、人物心理には創作的解釈を含みます。
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ドラマチカ
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