![千年後の僕らものジャケット写真](https://tcj-image-production.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/u289752/r1176025/ite1176025.jpg?X-Amz-Algorithm=AWS4-HMAC-SHA256&X-Amz-Credential=AKIAJV4VIS2VN3X4CBGA%2F20240705%2Fap-northeast-1%2Fs3%2Faws4_request&X-Amz-Date=20240705T142840Z&X-Amz-Expires=86400&X-Amz-SignedHeaders=host&X-Amz-Signature=188d26272c579f6ee33b7ae873b2b748e0472d6f2146d2ee749294f2860c1101)
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少しだけ雨は弱まり、わずかに開けた視界。
きっと通信も開く。
「こちら、ミゾハ」
応答を待つ。
代わりに短く鳴る電子音。
音楽と呼ぶには取るに足らない、通話を待つ間にだけ流れる音。
「こちら、ノラエ。ミゾハ、元気そうで良かった。聞こえるかい」
「うん、大丈夫」
わたしの世界に、温かい音が加わった。
「探しものは見つかった?」
「いいや、まったく。ミゾハはどう?」
「どう、かな……。あと、もう少しだって気もするんだけど」
「そっか。でもたぶん、ぼくは、君よりは先に見つけられるよ」
「どうして?」
「ぼくは先に旅に出ているから」
「なぜ、それが理由になるの?」
「さあ、なんでだろうね」
ノラエは笑う。
捜索隊のなかでたったひとりの友達。
ノラエは世界に残された物語を心から探し求めている。
「ぼくの旅が終わったら、教えてあげるよ」
ノラエが言う。
わたしは言葉に詰まって、何も返せなかった。
「それじゃあ、ぼくは地下に潜るから……通信はまたあとで」
途絶えるノラエの声。
- 作詞
宏川 露之
- 作曲
ein himinn
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ストリーミング / ダウンロード
- 1
水没都市
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- ⚫︎
ノラエのテーマ
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- 3
ボートに乗って
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- 4
夜、焚き火のそば
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- 5
キリグモ
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- 6
旅の途中
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- 7
初めてのショッピングモール
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- 8
海辺の施設
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- 9
探していたもの
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- 10
ミゾハのテーマ
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- 11
千年後の僕らも
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あなたにとっては、ずっと遠い未来の彼方。草木はビルの壁を覆い、都市の骨組みは朽ち果てて、風は絶え間ない悲嘆を繰り返していた
雨の強い日には、街路は水しぶきを上げ、この街に、この世界にあったはずの物語の足跡を洗い流そうとしていた──。
終わりを迎えた世界で旅を続ける少女、ミゾハ。はるか昔に世界から失われた「物語」を探す捜索隊の一員として、同じ捜索隊の少年ノラエと、互いに通信機で励まし合いながら目的地を目指していた。彼らが旅の最後に見つける答えとは……。
全編を通じて朗読と音楽により物語世界が繰り広げられる、ユキニフル初の朗読音楽劇。
アーティスト情報
ユキニフル
物語と音楽をコンセプトにしたユニット。 冷たさや儚さで覆われた世界を「雪」に例え、そこに降り積もる"何か"をモチーフに名付けられたこのユニットは、故郷と居場所、後悔と喪失、それでも生き続けるということをテーマに独自の世界観を表現する。 小説とCDが同封される作品は、痛々しくも確かな手触りをもって描かれることで、フィクションであると同時に現実とも通底する圧倒的な詩世界を浮かび上がらせる。
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