焚き火に枯れ枝をくべる。服は木に吊るした。
水に浸かって濡れた服はまだ乾かない。
垂れる水滴を眺めながら、携帯食料を少しだけ炙ってから口にする。
味が良くなるわけじゃない。ただ、体を温めたかった。
乗ったことのないボートで川を渡ろうとしたのは間違いだった。
岸まで近づいたとき、返す波に飲まれて転覆してしまった。
どうにか落ち着けるところまで歩いてきて、身体を休めている。
ザックから通信機を取り出す。壊れてないといいけれど。
ノラエに発信する。
発信音は鳴った。ノラエは応答しない。
捜索隊に入って間もないころ、ノラエがわたしにくれた通信機。
発信中の音色を口ずさもうとしてみる。
うまく歌えないけど、気が紛れる。
- 作詞
宏川 露之
- 作曲
ein himinn
ユキニフル の“夜、焚き火のそば”を
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ストリーミング / ダウンロード
- 1
水没都市
ユキニフル
- 2
ノラエのテーマ
ユキニフル
- 3
ボートに乗って
ユキニフル
- ⚫︎
夜、焚き火のそば
ユキニフル
- 5
キリグモ
ユキニフル
- 6
旅の途中
ユキニフル
- 7
初めてのショッピングモール
ユキニフル
- 8
海辺の施設
ユキニフル
- 9
探していたもの
ユキニフル
- 10
ミゾハのテーマ
ユキニフル
- 11
千年後の僕らも
ユキニフル
あなたにとっては、ずっと遠い未来の彼方。草木はビルの壁を覆い、都市の骨組みは朽ち果てて、風は絶え間ない悲嘆を繰り返していた
雨の強い日には、街路は水しぶきを上げ、この街に、この世界にあったはずの物語の足跡を洗い流そうとしていた──。
終わりを迎えた世界で旅を続ける少女、ミゾハ。はるか昔に世界から失われた「物語」を探す捜索隊の一員として、同じ捜索隊の少年ノラエと、互いに通信機で励まし合いながら目的地を目指していた。彼らが旅の最後に見つける答えとは……。
全編を通じて朗読と音楽により物語世界が繰り広げられる、ユキニフル初の朗読音楽劇。
アーティスト情報
ユキニフル
物語と音楽をコンセプトにしたユニット。 冷たさや儚さで覆われた世界を「雪」に例え、そこに降り積もる"何か"をモチーフに名付けられたこのユニットは、故郷と居場所、後悔と喪失、それでも生き続けるということをテーマに独自の世界観を表現する。 小説とCDが同封される作品は、痛々しくも確かな手触りをもって描かれることで、フィクションであると同時に現実とも通底する圧倒的な詩世界を浮かび上がらせる。
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