千年後の僕らものジャケット写真

歌詞

初めてのショッピングモール

ユキニフル

近づいていくにつれて、また、辺り一帯が水に覆われていることに気づいた。

モールも下層階は水没しているようだった。

荷物もなくなったわたしは、迷わず水に入った。

全身が浸かると、思ったよりも冷たさは気にならなかった。

傷口は開くだろうか。わたしはゆっくり建物のそばまで泳いでいった。

割れた窓によじ登り、屋内の大きな水たまりに飛び込んでいった。

吹き抜けのおかげで、全体が見渡せる。三階より上はほとんど無事だった。

水から上がって、フロアを巡る。

濡れた服は着替えることができた。

残された食料で空腹を満たすこともできた。

ベッドで横になることもできた。

それでも、物語は残されていなかった。

寝そべりながら窓ガラス越しに見た太陽は、わたしの目を眩ませることさえできないほど、弱い明かりで佇んでいた。

目的地は、そう遠くないはず。

わたしの探しているものが、そこにあるかはわからないけれど、ほかに向かうべき場所もない。

今日を生き延びられたことに感謝なんてせずに、ただ疲労のためにわたしは眠りについた。

  • 作詞

    宏川 露之

  • 作曲

    ein himinn

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あなたにとっては、ずっと遠い未来の彼方。草木はビルの壁を覆い、都市の骨組みは朽ち果てて、風は絶え間ない悲嘆を繰り返していた
雨の強い日には、街路は水しぶきを上げ、この街に、この世界にあったはずの物語の足跡を洗い流そうとしていた──。

終わりを迎えた世界で旅を続ける少女、ミゾハ。はるか昔に世界から失われた「物語」を探す捜索隊の一員として、同じ捜索隊の少年ノラエと、互いに通信機で励まし合いながら目的地を目指していた。彼らが旅の最後に見つける答えとは……。

全編を通じて朗読と音楽により物語世界が繰り広げられる、ユキニフル初の朗読音楽劇。

アーティスト情報

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