歌詞

静かに湯気が　立ちのぼる

やさしい香りに　包まれて

そっとすくった　その先に

君のおもかげ　ゆらめいて

出汁の海に　浮かぶおもい

しいたけ　えびも　寄り添って

やわらかなたまごに　染み込んだ

遠い約束　溶けてゆく

レンゲの先で　そっと触れる

ぷるりと揺れる　ぬくもりに

君が作った　あの夜の

優しい声が　よみがえる

あの日のぬくもり　まだここに

そっと舌にのせたなら

ほろり　ほろり　涙の味

茶碗蒸しと恋のあと

ほのかに甘く　切ない香り

出汁の奥には　思い出が

ぎんなんひとつ　かじるたび

君の笑顔が　滲んでく

「熱いよ」って　笑った君

ふたりの時間は　ほどけてく

冷めないように　抱きしめた

あの夜のこと　思い出す

茶碗の底に　残る余韻

それは心の　隙間にも

じんわり沁みて　離れない

君の気配が　ほどけない

あの日のぬくもり　まだここに

そっと舌にのせたなら

ほろり　ほろり　涙の味

茶碗蒸しと恋のあと