白絵にもならないのジャケット写真

歌詞

白絵にもならない_V

rinri, Kyiku

めくるページが与う安堵で

まだ眠いねなんてさ

忘れないようにまた続きから

ほら栞を入れてる。

このまま春になっても

溶ける前の景色が

色が付いても変わらない事。

ただただ綺麗な物で満たしたい事。

夢中な指でなぞる余白は

ただ何処かへ行けるような気がしたんだ

辿っていたんだ。

光を模った円形を直視してしまったせいで

区別がつかない。

やさしい手触りの外側。

徒に積った憂鬱が

白昼を包んでいたんだ。

此処には憂いも否定も要らない。

空想に酔う

処方箋に無い答えは、

一様に不安定で心地良かったのに。

いつかは忘れちゃうよなんてさ、

憐れまないでほしい。

気づいちゃ嫌だよ、触っちゃ嫌だよ、

塞がらないんだ何かが

千切って貼って繋いでたって

ここがね、痛いんだよ。

いつかの付箋も剥がれてしまう事

戻りたいって何度も

目次を眺めていた。

溢れた息をつかまえてみても、

指の隙間から逃げていくだけで、

汚れた写真に残る笑顔は

今でも触れられる気がしたのに。

何故か大切なものに限って

この手じゃ届かない場所にあって、

乾涸びた筈の私の声は

まだ届くなんて期待をした。

気付いていたの、分かっていたの、

あなたがもういないのも。

滲んだ線を重ねたって、

ずれてく輪郭。

生きたい理由が過去にしかないのに、

何に縋ってるんだろう?

何を守れるんだろう。

厭世。

逃避行の計画。

根拠なんて曖昧。

幼気な夢想家。

ユートピアの残骸。

昨日分の錠剤。

効き目なんて無いの、気づかないふり。

そっと耳を傾けてもきっともう聴こえないの。

覚めてくれないのは、世界のせいにして。

触れたくない過去も、

冷たい目も肌も、

僕たちはおんなじ傷を隠している。

合わせた手のひらは柔くて幼くて、

それでいてちょっぴり熱を孕んでいた。

朝日がふわって、

睫毛に落ちて、瞼に溶けていく。

あなたが泣かないように、

小さく、大事に祈った。

  • 作詞

    rinri, Kyiku

  • 作曲

    rinri, Kyiku

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