Lyric

○商店街

（がやがやと人の声）

シオ　「あーっ、おなかすいたー。なんでラドンとタンソ来ないんだろ。アスレチックもあんのになー」

テツ　「アスレチックぅ？そんなもんより……うまいものが食いてえな」

シオ　「お！いいね！めっちゃ食う！唐揚げある？あとトンカツ！エビフライもっ！」

テツ　「酒がのめる店ならあっちにあったが…」

シオ　「も〜テツ〜。お酒じゃなくて〜（涙）もう、自分で探す！えーと…」

（観光雑誌をぱらぱらとめくる音）

シオ　「なになに？ジェラート。炭酸せんべい。豆乳ソフト…… カーッ！甘いもんばっかだ！揚げモンは！？って… え！？テツどこぉ！？」

（観光地を歩き続ける）

シオ　「どこ行っちゃったんだよー。本当勝手なんだよなぁ。あ、すみませ〜ん！ジェラートくださーい。（お会計の音）ありがとうございま〜す！」

（観光地を歩き続ける）

シオ　「（頬張りながら）はー自由人なんだからー。絶対一緒のほうがたのしいのにな。あ、すみませ〜ん！炭酸せんべいくださーい。えーと…１９枚！（お会計の音）ありがとー！」

（観光地を歩き続ける）

シオ　「（頬張りながら）集合時間までに、ちゃんと戻ってくんのかな。みんなで一緒に写真撮ろうと思ってたのになー。あ！豆乳ソフトください！えっと…５つ！（お会計の音）やべ、持てないな… ありがとうございまーす」

観光地を歩き続けるシオ。立ち止まる。

シオ　「うんめ！甘いモンもいいな！あ、リュウさんにお土産買わなきゃ」

テツの笑い声が遠くから聞こえる「がっはっはっは」

シオ　「ん？テツ？おーーい！テツ！」

テツ　「お。きたか。遅かったな」

シオ　「遅かったって… ずっと探してたんだから。どこ行ってたんだよ」

テツ　「ふふふ…。みてくれ、この輝き」

シオ　「宝石？まあ、綺麗だけど…」

テツ　「この燃えるような赤い輝き。まさに俺の指におさまるべくして生まれたような宝石だ」

シオ　「はあ？」

テツ　「…わからんか。（ため息）だめだな、色気のひとつもない」

シオ　「い！？色気なんか…オレ、要らないもん…」

テツ　「ははは、レディを愛し、レディに愛される。それより、いい生き様があるか？来い」

シオ　「ちょ。どこいくの…？」

テツ　「こっちだ」

シオ　「え…こんな道あった？」

テツ　「さあ、足元に気をつけて、おっと怪我はしないように」

シオ　「なんだぁこの道…？？」

○店

（店に入る音）

テツ　「どうだ」

シオ　「ウワーッ！すげーピカピカー。宝石屋？初めて入った、緊張する」

テツ　「まずはおじぎ。宝石の輝きはレディと同じくらい、繊細だから気をつけろよ？」

シオ　「・・・おじぎ…？こうかぁ…？（礼をする）」

テツ　「よし、好きなのを選べ」

シオ　「えっ、いいの！？でも俺、唐揚げのほうが…うれしいけどな…」

テツ　「まーまー遠慮するな。この柘榴石（ざくろいし）はどうだ」

シオ　「んー！赤い！」

テツ　「紅玉（こうぎょく）もいいな」

シオ　「さっきのよりちょっとピンク」

テツ　「尖晶石（せんしょうせき）は」

シオ　「さっきのより…濃いピンク！」

テツ　「・・・（呆）」

シオ　「だ、だって同じような赤ばっかり選ぶじゃん！？！？！？むずかしいよ！？」

テツ　「センスのない男よ…そんなことではレディにも呆れられるな…」

シオ　「ウッ…」

○神社

石を踏む音。

テツ　「まだ2人は来てないな」

シオ　「…あのさ…そりゃ…テツみたいに格好良くなれたらなー…とは思うけどさ」

テツ　「そうだろうなあ」

シオ　「そのー、あのー、えーっと」

テツ　「なんだ」

シオ　「いろけ？ってどうやって出すわけ？（恥）ま、ちょっと気になっただけなんだけど」

テツ　「はっはっは。まず目を細める」

シオ　「こう？」

テツ　「で、顎をちょっと上げる」

シオ　「こんな感じ？」

テツ　「そう。そしてこう言う。Yeah …」

シオ　「（渋ボイスで）Yeah…」

テツ　「ん？」

ラドン「ごほん、何をやっているんですか？」

シオ　「うえぇえ！？ラドン！もう来たのか！！あーえーっとこれは…その」

タンソ「いちゃいちゃしてたんだね…」

シオ　「ちがう！ちがうよね！？テツ！？」

テツ　「はははは」

ラドン「いきましょうか」

ラドンとタンソが歩いて行く音。

シオ　「本当に違うって……！」

テツ　「（小さな声で）シオ」

シオ　「ん？」

テツ　「これをあげよう。紅玉。一番似合っていた」

シオ　「・・・わ、え、ありがとう…」

タンソ「ほーらやっぱり、イチャイチャしてる。お揃いじゃない？あれ」

シオ　「ええっお揃い！？そうなの！？ねえ、そうなの！？テツー！？」

テツ　「はっはっはっはっは」