ありふれたことばで混ざり合う前にのジャケット写真

歌詞

過剰包装 (feat. 壊死)

bb cream ljk

夕方のホームセンターは

少しだけ宇宙船に似ている

積み上がった収納ケース

無意味に明るい照明

季節外れの殺虫剤

生活って

いつも過剰包装だ

君は園芸コーナーで

枯れかけのミントを選ぶ

「このくらいの方が気楽」

と言う

ぼくはその基準を

たぶん一生好きだと思う

自転車の鍵を探しながら

小さく鼻歌を歌う

メロディになりきれない

途中の旋律

ぼくはそういう未完成なものに

異常に弱い

ぼくはたぶん

君自身より

君の周囲に発生する

微細な現象を愛してしまっている

まばたきの直前とか

言い淀みの湿度とか

コップを置く時の弱い迷いとか

蛍光灯の交換時期だけ

妙に一致する

ぼくらの生活には

そういう偶然が多かった

君が脚立を押さえて

ぼくが白い筒を回す

それだけで

一日が完成してしまう

外では

回収されない選挙ポスターが

雨で少し波打っている

世界はずっと

誰かの剥がし忘れで出来てる

君は冷蔵庫を開けたまま

ぼんやりしている

内部の光に照らされる横顔は

深海魚みたいに静かだった

駅のホームで

君を見失う時がある

人が多いからじゃない

みんな少しずつ

君に似ているからだ

髪を結ぶ仕草とか

退屈そうな立ち方とか

遠くを見る時の

瞼の角度とか

帰宅ラッシュの中で

君に似た沈黙だけが

何度も通り過ぎる

なんか

もっと劇的なものだと思っていた

稲妻とか

運命とか

音楽が急に流れるとか

でも

片方のイヤホンを

無言で渡される時とか

コンビニで温めすぎた弁当を

ふーふーしている顔とか

そういう

説明の難しい場面ばかりが残る

僕たちは眠る

外では始発前のトラックが

道路を均している

誰もいない時間帯だけを

丁寧に磨いていく音

観覧車は停止中で

誰も空を運んでいない

ガラスのゴンドラだけが

巨大な耳みたいに並んでいた

君はそのひとつを指して

「あそこで暮らせるかも」

と言った

ぼくは少し考えて

「洗濯物が乾かなそう」

と返した

「ねえ、それ捨てないの?」

君が訊く

ヒビの入ったプラスチックのコップを

ぼくはなぜかまだ使っている

「なんか、まだ飲めそうで」

そう言うと

君は少し笑う

たぶんこういう

意味の薄い延命措置ばかりで

ぼくらの生活は出来ていた

ベランダでは

風に負け続けてるサンダルが

今日も片方だけ

裏返っていて

それを直す係を

なぜかずっと

ぼくが担当している

「頼んだ覚えないけど」

ちょっとずるいよね

君の夢が見つかるまでなんて

  • 作詞者

    bb cream ljk

  • 作曲者

    bb cream ljk

  • レコーディングエンジニア

    志見祥

  • ミキシングエンジニア

    Seigo Saito

  • マスタリングエンジニア

    Seigo Saito

  • ボーカル

    壊死

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    過剰包装 (feat. 壊死)

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