透明を色と見做すのは
酷く滑稽とわかって、
なのにそう見えてしまって、
光彩に影を落とすのは、
いつも泣いていた自分と、
それを傍観する僕だ。
存在に意味が要るなら、
僕の体温や鼓動を肯定しようが無かった。
後悔も上手く出来ない。
白く染まった溜め息、
僕と対照的だった。
消えないように栞をしよう。
雪のように冷たく溶け出す
気持ちだとしても。
大丈夫、歩いている。
何もない毎日を這っている。
繰り返すこんなサイクルで
光を辿ってる。
此処にいるよ。
僕の全部が偽物でも構わない。
確かなものなんて無かったんだ。
この心は空っぽなんだ。
仮初でいい。
ただそれを愛してあげられる理由が欲しい。
この生活に現実感が無いこと、
悴んだ手足のせいにしていた。
嘘ばかりついて、日々を呪って、
何に縋って、何を守った?
大人にはなれないまま、
ただ春を待つんだろう。
生きたくって吸い込んだ空気は
重たくって肺で膨張した。
明日なんて価値があるようで
今日の僕を縛るだけだった。
時計の針についていって、
進む先が分からなくなった。
情けなくって頬が紅潮した。
子供みたいだ。
此処に居るよ、この白色が証なんだろう?
此処に居るよ、ちゃんと。
動き出したこの街に
僕だけ取り残されたようで、
鳥の声も、朝焼けも、
全部誰かのものみたいで、
それでもまだ息をする。
こんな世界も綺麗だなって、
思えたらちょっとは僕のことも
許せる気がした。
大丈夫、歩いている。
何もない毎日を知っていく。
当たり前だった昨日のこと、
当たり前みたいに愛せたら。
青い世界を割くように
伸びた光は淡く白く届いてる。
僕らを包み込んでる。
- 作詞
rinri
- 作曲
rinri
- プロデューサー
rinri
- プログラミング
rinri
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ストリーミング / ダウンロード
- 1
白命
rinri
- ⚫︎
静息
rinri
- 3
蝶
rinri
- 4
薄れる
rinri
- 5
シーン
rinri
- 6
じゃあね
rinri
- 7
ふたりで
rinri
- 8
水平線を見ていた
rinri
- 9
僕らの記憶を掠わないで
rinri
- 10
sink
rinri
- 11
救われていたんだ
rinri
- 12
終着
rinri