

ふとした弾みで
頬を噛む
鉄臭さと淡い味
口内を満たす
精気ある証拠
真っ赤が拡がる
そうして僕は生きている
その事実を確認する
同じ時間に席に着き
同じ時間に席を立つ
与えられた仕事こなし
言った通りだと称される
「ガンバッテルネ」
「ヨクヤッテルヨ」
「タヨリニシテル」
軽くも重くもない
声が集まって
僕の世界の底抜ける
ちょっとニヒルが
過ぎないか?
心配と嘲笑
混在した声
軽くも重くもない言葉が
ここでも僕を押しさげる
居場所があり
はしゃげる仲間がいる
いわゆる孤独でない僕は
それゆえ一層孤独になる
朝 目が覚めて
頬をつねる
鈍い痛みが
幾ばくもなく
脳まで届く
神経通ってる
証拠感じてる
そうして僕は生きている
その事実を確認する
明文化してはいない
約束通り帰途につく
いつものよに食事をして
いつもの通りに
美味いって言う
「オツカレサマ」
「ナニゴトモナク」
「ソレガイチバン」
軽くも重くもない
声が集まって
また世界の底抜ける
あなたはめんどくさい人ね
好意と嫌悪の
混在した声
軽くも重くもない言葉が
またしても僕を追い詰める
帰る家があり
頼るべき家族がある
いわゆる独りでない僕は
それゆえに一層独りになる
なんのため生きるのか
っていう問いを
ほら今 僕は生きている
っていう事実に置き換えて
何を成したいのか
っていう問いを
このまま僕は生きていく
っていう覚悟に置き換えて
理由がなくても
拍動は止まない
常識なんて灰にして
風を吸い込め
軽くも重くもない
言葉の群れ
蹴とばしながら
ただ重力に逆らって
血が巡る肉が鳴る
痛いほどに僕が「在る」
名付けようのない
この夜の底知れぬ孤独こそ
誇りであれ光であれ
底が抜けたなら
地平を駆けるだけだ
ちょっとニヒルに
笑ってみろ
絶望と喝采混在した声
軽くも重くもない世界を
僕の筆致で書きかえる
居場所があり
守るべき自分がある
いわゆる一人きりの僕は
それゆえに一層自由になる
ただ ただ 生きていこう
鮮やかな赤を
胸に刻んで
脈打つリズムを
確認しながら
明日の朝も
この痛みと踊るよ
- 作詞者
SomAtic
- 作曲者
SomAtic
- プロデューサー
SomAtic
- ソングライター
SomAtic
- リミックス元のアーティスト
SomAtic

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Sein
SomAtic
「何のために生きるのか」という問いが、いつしか僕らを追い詰める。記号化された日常、与えられた役割、空虚な「オツカレサマ」の唱和。その「底」が抜けた世界で、僕らはどうやって自分を「確認」すればいいのか。辿り着いた答えは、ドイツ語で「在ること」を意味するタイトル「Sein」に集約された。本作は、SomAtic史上最も強いメッセージ性を帯びた一曲。頬を噛んだ時の鉄の味、皮膚をつねる鈍い痛み。意味や理由を求める前の、圧倒的な「在る」という事実。ニヒリズムの果てに、自分自身の身体を通じて見出した剥き出しの肯定が、静謐な熱量を伴って鳴り響く。
アーティスト情報
SomAtic
ギリシャ語で「身体」を意味するその名は、表現者としての彼の原点である。日々、臨床の現場で数多の「身体(いのち)」と真摯に向き合う医師、SomAtic。 生と死、葛藤と再生。極限の人間模様を見つめ続ける中で、彼自身の身体の奥底から静かに、しかし力強く溢れ出た「言葉」が、一つの作品として形を成す。緻密に編み上げられた、生命の鼓動と共鳴する洗練されたサウンド。そこにあるのは、単なる感情の吐露ではない。医学的な視点と芸術的な感性が交差する場所で紡がれた、生命への深い洞察と慈しみである。医師として、そして一人の表現者として。 SomAticは、聴く者の心に寄り添い、日常の淵に微かな、しかし消えない光を灯し続ける。
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