スーパーの中にある飲食店で
さほど考えもせずに注文した料理は
しょうゆラーメン450円
あっさりとしたスープの中で
細い麺が私を見つめている
焼豚 メンマ ネギ ほうれん草
少数精鋭の具だけど
しょうゆラーメンは器の中で
しっかりと仕事をしている
麺から食べ始め スープを飲み
麺と具を絡めて食べ またスープを飲む
麺がなくなりかける頃 焼豚を味わい
最後に残りのスープを一気に飲み干す
おいしいから 残すところは全くない
しょうゆラーメン450円 完食
これでいいんだよ
ラーメンってこれでいいんだよ
凝らなくていいんだよ
麺にこだわったり スープにこだわったり
具にこだわったり そんなことしなくていい
まずくなければいいんだよ
高価な極上ラーメンも勿論おいしいだろう
でも 私の身近で食べられるラーメンは
まずくなければいいんだよ
世の中 エリートばかり求め過ぎなんだよ
エリートでなくていいんだよ
結果的に仕事になっていればいいんだよ
450円のしょうゆラーメンみたいに
まずくなく 完食できる料理で十分なんだよ
人間社会に疲れた私にとって身近に欲しいのは
高価なモノでも 秀逸な接客でもなく
ごく自然にある 普通なんだよ
夕暮れ前の空を見ながら
冬の風を身に浴びる
本当は寒い風のはずなのに
しょうゆラーメンを完食して
額や体が汗ばんでいたから
冬の風なのに涼しい
冬の風なのに心地がいい
忙しない日々の中で ささやかな至福の時
- 作詞
ミナミ ダイ賢
- 作曲
タダノ ミツル
ミナミ ダイ賢 の“しょうゆラーメン450円”を
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