歌詞

黄泉（よみ）の穢れを　父君（ちちぎみ）が濯（すす）ぎし折

右の御目（みめ）より　我は生（な）り出（い）でぬ

仰せつかりしは　夜の食国（よるのおすくに）

天（あめ）の理（ことわり）　静謐（しじま）を守るが我が務め

あな、如何（いか）に許さん　その穢（けが）れを

御饌（みけ）と称して　口より成りしものを

我が姉君（あねぎみ）は　天（あま）照らす陽（ひ）の御子（みこ）

「汝（な）は悪しき神」と　その御声（みこえ）が…

以来（このかた）　昼と夜（よる）は　永久（とわ）に分かたれり

葦原中国（あしはらのなかつくに）に　遣（つか）わされ向かひしは

保食神（うけもちのかみ）が　饗応（もてなし）の席

されど眼前に　広がりしは不浄の宴

抜き放ちたる　剣（つるぎ）に一片の迷ひなし

あな、如何（いか）に許さん　その穢（けが）れを

御饌（みけ）と称して　口より成りしものを

我が姉君（あねぎみ）は　天（あま）照らす陽（ひ）の御子（みこ）

「汝（な）は悪しき神」と　その御声（みこえ）が…

以来（このかた）　昼と夜（よる）は　永久（とわ）に分かたれり

我が理（ことわり）に　瑕疵（かし）などありはせぬ

ただ清浄を　求めたる果てなれば

されど　かの屍（かばね）より五穀は芽吹き

人の命　繋ぐと云ふか

嗚呼（ああ）、天（あめ）の定めはかくも皮肉なるものか

満ちては欠ける　月影ひとつ

光を遠み　闇路をゆく

姉君の御顔（みかお）は　拝（おろが）むこと能（あた）わず

幾千の夜を　ただ独り…

…数えむ