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MASS OF THE FERMENTING DREGSのB&Vo、宮本菜津子初のソロアルバム。
どこか懐かしさを感じさせるメロディ運びや言葉選び、優しく爪弾かれるギターにリラックスした感触が存分に感じ取れる楽曲から一転、hideやThe Smashing Pumpkins(宮本はスマパン来日時、ラジオの企画でバックステージに潜入した経歴を持っている)を一貫してフェイバリットに挙げ続ける彼女ならではのオルタナ〜グランジなコード感やパーカッシヴなギターストロークが味わえる楽曲、遊び心満点なNUMBER GIRL「delayed brain」のカバー、自身のバンド曲のセルフカバーに至るまでバラエティに富んだ楽曲が収録され、充実したアルバムに仕上がっている。本来はベースプレイヤーであるということを忘れてしまいそうになるほど多彩な表情を見せるギタープレイ、力強くもどこか人懐っこい節回しを見せるボーカルはまさしく宮本節と言えるだろう。
Julien Baker、Julie Byrneなど隆盛を極める現行の女性SSWに、Waxahatchee、Frankie Cosmosなどの現行インディーポップ的質感も併せ持ち、その中に確たる宮本菜津子節が一本通った力強い作品だ。MASS OF THE FERMENTING DREGSとしての活動と連なりながらも豊かな振り幅を見せる表現、間違いなく必聴だ。(bed/山口将司)