呉須の曳航のジャケット写真

歌詞

呉須の曳航

IDONO KAWAZU

娑婆の辟易

冷えた把手を握りしめて

この都市からの逃避行

足らぬ機関で

行先など何処へでも

お気に召すままに

雲隠れば瞬く間に

忘らるる拠所と知る

慮れど

菟糸燕麦の業を知る

お生憎様

鏡に映る妖し翳に

追いつかれない様に

荒んだ烈寒を

噛み締め彼方まで奔るの

未だ鳴いていたい僕は「螽斯」

愚か者なんだと笑えばいい

虫の報せに怯えて暮す方に

慣れていない様に馴染めない

くらいで抗えない僕は「螽斯」

空け者なんだと謗ればいい

草葉散りゆく季節に腐す呆に

情け等もう今更は必要ない

淡々と無下に

霞み流されてゆく情景に

目が游いでいる内に

張り子の伽藍堂に

沙羅双樹の花が散る

嵌っているんだ

がやの声に倣えど

巣食う獪を祓えど

忠しく生きれないのは

誰のせいだ?

他愛無い能書で

加速できやしない僕は

近道を選び進んだ道が

予想外に遠回り

払拭機の律動に

音盤再生の音が絡むの

ただ跳ね足りない僕は「螽斯」

弱き者なんだと踏めばいい

虫の報せに震えて濡らす頬を

憶えて冬を眠り明かす前に

堅実も放漫も安牌も婆婆も

全部欲しい

感覚や感性だけで

好きに走ってみたい

停滞も渋滞も

迂回路くらい用意したい

いつだって

自己制限速度を守りたい

ただの蟻にも満たない「螽斯」

愚か者なんだと嗤えばいい

虚勢も停車すりゃ元の木阿弥

夜が明くまでさあ何処迄も

  • 作詞

    IDONO KAWAZU

  • 作曲

    IDONO KAWAZU

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    呉須の曳航

    IDONO KAWAZU

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呉須の曳航

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