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歌詞

蜘蛛の糸

綾織綾音

ゆらりと垂れたのは

地獄の底で光る糸

極悪人のカンダタの

現世唯一良い行い

道端を這う蜘蛛を見て

踏み潰さず生かしたから

人生捨てたもんじゃない

これが運命の分かれ道

それを見ていたお釈迦様

御慈悲のお心で極楽の

池に救いの一筋を

お投げになられました

たらりそろりゆらりらら

落ちる落ちるよ糸は下へ

その手の届くところまで

真っ赤な池から顔出して

一心不乱にしがみつく

このまま極楽まで

登るよ登るどこまでも

泥棒の執念生かしながら

疲れ休めて見下ろした糸の先

群がる罪人

唖然として開いた口

しがみつく細すぎる糸

やめろやめろと叫ぶのは

我独りだけ助かるため

乱れた心見透かすように

ぷつりと糸は切れました

ぷつりだらりすらりらら

落ちる落ちてく糸は下へ

血の底に向かった糸は

悲しきかな無意味となる

欲望と絶望をその手に

天と地は紙一重

愚かさが身を滅ぼす

真っ逆さま心体

たらりそろりゆらりらら

もう一度もう一度

ここへここへ

懇願交じりのカンダタは

真っ赤な池から顔出して

ぷつりだらりすらりらら

星も月もない空の上

短く光るその糸に

目一杯に手を伸ばす

二度と伸びることのないまま

きらり遠く光る糸

悲しい顔のお釈迦様

お慈悲の心叶わずに

歩き去りて残るのは

昼の極楽

蓮の花

  • 作詞

    綾織綾音

  • 作曲

    綾織綾音

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アーティスト情報

  • 綾織綾音

    この世界の「不条理」を音の中で浄化させるように音を描く。 社会を見つめた自身の想いだけでなく、太宰治や谷崎潤一郎など、純文学からインスパイアを受け、楽曲を制作。  初めて訪れたパリでストリートライブをした経験から、言葉が通じなくても、音楽で国境を越えられることに心を強く打たれ、日本文化や日本語を大切に音楽作品を制作し、海外に日本を発信していくことを目標としている。  ライブでは朗読と音楽を組み合わせたライブを行い、「日本語」に拘った音楽活動を展開している。

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