硝煙と君の香りが混ざって
銃声は放課後の鐘に紛れて
「私が、あの子を殺した。」
渡り廊下 眼鏡の少女が歩いている
だれもその目に触れることなく浮かんでいく
花壇には弾痕が残された
もう君の声も失われる
誰も気付かないまま
ブラウスの上には花が咲いて
君の純白を穢していった
染まる夕焼けに溶けるように
君は透明になっていった
愛しさはいつでも花のように
美しく心に根を降ろしていく
冷たい唇 檸檬の味
夕陽が街の輪郭をなぞって
水中で嘆くような声は脆くて
君の時計は止まってしまっている
ただ寄り添っていたいだけなのに
またここで愛を、哀を歌ってよ
もう一度私の頬に触れてよ ねえ
茜さす教室の窓際で
あの子はカーテンに隠れていた
這う規制線の向こう側で
微笑むことさえも叶わなくて
何回だって言葉を変えて
君を描こうとするけど
虚しくなるだけ
ブラウスの上には花が咲いて
君の純白を塗り潰すんだ
混ざる夕焼けに溶けるように
真赤に染まった君を見ていた
哀しみはいつでも花のように
美しく心に根を降ろしていく
冷たい唇 檸檬の味
君のことを想い続けていたいまま
絞り出した声さえ 聞こえなくなって
無垢な街にただ降り注ぐ君の言葉の通り
呪いのように 終わることなどない
怨嗟はまた繰り返されて
穢れを知らない人生に終わりを告げる
- 作詞
烏有
- 作曲
烏有
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烏有
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