歌詞

夜だけ使える名前 夜だけ集う人 夜だけ話せる会話 夜だけ買えるサンドイッチ

夜だけ入れるお店 夜だけ会える人 夜だけ書ける文章 夜だけ嘘のない気持ち

夜だけ見える未来 夜だけ出せる声 夜だけ聞こえる音楽 夜だけ掴める現実

夜だけつく嘘 夜だけ気づく世界の、ほんとう

僕達の焦燥は静かに心の中に牙を立てる

顔色が特別に煤けてしまったように思える時には

嫌いだ、、なんて呟いたりして 「風の中に去りぬ」なのだと嘯いてみる

文庫本に挟み込んでいた栞を抜き取って表紙に付いていた帯を音読して果てた

湿り気を含んだ鉄の味をマンホールの中に吐き飛ばしたりして

変われるような切っ掛けをいつも待っていた

あ、い、う、え、お、から始まる

五十音では表せない毎日を持て余して豪雨になる

人はすぐ名前をつけたがるから

わたしたちは詩人と呼ばれているようだった

風立ちぬいざ、と思いたいのに その先を声を出せない

目に見えないものをより強く信じてしまう大人にはあまりなりたくなかった

破滅的な波の先で消えてなくならないで

踵を打たれて立ち上がっている 賛美歌を歌うように祈っている

体を揺らして踊りだしている 夕方屋根裏にて重なる

先になったら行きたい場所なんて見つからなくなるんだ

ライ麦畑でコールフィールドが言っていた

大人になってから本なんて読むもんじゃないよな 胸が苦しくなるんだ

わかりあいすぎれば

わかりあっていたことすら忘れてしまうから

愛すべきメルヴィルのバートルビーを

同じように愛する人には出会いたくない

いつかの夢から覚めても壊れなかった世界で

今、声を鳴らしてる!

心を奪われ走り出している 最初から別れは定まっている

体を掴まれ踊りだしている 夕方屋根裏にて重なる

踵を打たれて立ち上がっている 賛美歌を歌うように祈っている

体を揺らして踊りだしている 夕方屋根裏にて重なった