

終戦間近の暑い夏の朝
新宿駅を出発した列車は
あふれるほどの乗客をのせて
中央線を走り続けた
見知らぬ土地へと疎開する人も
懐かしい故郷へ帰る人たちも
生きてゆくための道は同じだった
それぞれ降り立つホームは違っても
熱く灼けた線路を
希望をのせ列車は行く
重い車体揺らして
きつい坂のり越えて
彼らは知らない
やがて来る悲劇を
ひとときゆりかごに揺られ
淡い夢を見てた
真夏の日射しが照りつける午後
山のトンネルに差しかかったとき
急降下して迫る戦闘機
銃撃を浴びせ列車は止まった
窓ガラスは撃ち割られ
飛び散る血しぶきのなか
床に倒れる人たちで
通路は埋め尽くされた
血の海を這いずるように
恐怖で逃げ惑う人
列車から逃げ出す人も銃弾に倒れた
生きてくことさえ叶わなかった
人たちの無念を忘れてはいけない
人と人とが争い殺し合う
過ちは二度と犯してはいけない
僕らは今日も誰かの
屍の上で生きてる
与えられたこの命を
無駄にしてはいけない
この胸に刻もう
あの夏の悲しみを
平和な日々をかみしめ
8月5日のことを
この胸に刻もう
あの夏の悲しみを
平和な日々をかみしめ
8月5日のことを
平和な日々をかみしめ
8月5日のことを
- 作詞者
土屋信二
- 作曲者
土屋信二

SINJI の“いのはなトンネル列車銃撃事件の悲劇”を
音楽配信サービスで聴く
ストリーミング / ダウンロード
- ⚫︎
いのはなトンネル列車銃撃事件の悲劇
SINJI
いのはなトンネル列車銃撃事件は、1945年8月5日、中央本線を走行中の列車が八王子市のいのはなトンネル入口で戦闘機の銃撃を受け多数の死傷者が発生した事件です。
この事件は、太平洋戦争の甚大な被害の中で埋もれ、忘れ去られようとしています。
犠牲者のなかには今も名前も身元も分からない方々がいます。
当時の体験や記憶を語り伝える人も少なくなりました。
この悲劇を少しでも次の世代に伝えられればと願い、東京都立東大和南高校の齊藤勉先生の著書『中央本線四一九列車』からインスピレーションを得て、この曲を作りました。
アーティスト情報
SINJI
西関東を拠点にカントリーミュージックを作り続けています。
SINJIの他のリリース