Lyric

「言葉などいらない」と無造作に打ち捨てた

目の前の透明な壁一つさえ越せずに

右も左も何も見えない闇の果てには

何が潜んでいるかさえ　ここからじゃ見えるわけもなくて

錆び付いた言霊は軋む音に沈んで

崩れ去るその日まで夢を追い　ただ手を伸ばしている

黒い深い海に溺れた青い日々はやがて

ひとりきりで歩む道を彩る澱となり

白い荒い波に流れたあの景色を抱いて

言葉よりも大切な何かを追いかけて走り続ける

「答えなら聞かせてよ」不器用な僕の手じゃ

眠るほど簡単な謎一つさえ解けずに

前も後ろも何処も踏めない床の下には

何か埋まっているようで　何もかも疑心暗鬼になる

焦げ付いた魂は痛々しく剥がれて

剥き出しの傷なんか晒せずに　ひたすら隠している

暗い不快感の後には赤い染みが落ちて

ひとりきりで耐えるための　安らぐ檻を待つ

強い不退転の決意は揺らぐはずもなくて

答えのない世界なら未来を追い求め走り続ける

目を向けた先にあるものはまだ見えない

けど　無秩序に飾られた灰色の景色は

光集めて続いていく　未知の明日へと　昨日までに背を向けて

染み付いた約束は呪いに似て重くて

心地よい絆さえ　先のない現実で侵していく

黒い深い海に浮かんだ淡い皹を眺め

ひとりきりで歩む道の地図さえ折り畳み

白い荒い波に流れたあの記憶の中で

言葉よりも大切な何かを追いかけて走り続ける

いつか見つかると信じて