BOUQUETのジャケット写真

歌詞

春霞

街田奈樹

流るる春の底で膝抱えて

隠れたまま二人で泣いていた

花散る雨の中で

君は今なにを想ってんの

ねぇ

触れた輪郭と

朧に浮かんだ瞳でさえ

愛しいと思ったんだ

呪いのような言の葉も

どうやら融けていったようだ

迷惑な話だわ

ねぇどうか泣かないでって

勝手ね何もわかってない顔

憎たらしいわ

暈けてしまった二人の写真

ずっと忘れぬようにと

燃やしたの

とうに知った

恋の結末

宙に舞った

心だけ

掬っていって

鬱屈ばかりが浮かんでいる

とうに死んだ

色味さえ

隠して飛んでった

栞を挟んでサヨウナラ

また会えるかな

じゃあね

掠れた緊迫と

とどろに蹲って

しきりに耳を塞いでいた

風に乗ってこのまま

攫ってほしいわ

ねぇ誰かこの手引っ張ってよ

糸の解れたぬいぐるみ

弾けて飛んでった

ボタンの眼

いつの間にか

穴の空いたままで

ねぇ

なにを探してるの

なにを祈ってんの

その見つめた一等星にさ

あたしはいないわ

破れてしまったいつかの君の手紙

失くさないようにあの樹の下に埋めたの

だってこの想いも

あの樹が呑み込んで

いつか落ちた実を誰かが食べて

笑えばきっと“哀しい”は

“美味しい”に変わるでしょう?

凍りついた

愛の結末

宙に舞った

言葉だけ

掬っていって

憂鬱ばかりが浮かんでいる

とうに消えた

期待さえ

割れては飛んでった

栞を無くしてしまっても

分かってくれるよね

じゃあね

流るる春の底で膝抱えて

隠れたまま二人で泣いていた

  • 作詞

    街田奈樹

  • 作曲

    街田奈樹

BOUQUETのジャケット写真

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街田奈樹の1stアルバム「BOUQUET」
偏愛,横恋慕,失恋…それぞれ異なる形の「愛」をテーマにした7曲を収録。
自身の抱えるいくつかの愛に対するコンプレックスを、
ポップさとオルタナティブさを併せ持つメロディーに乗せ、街田奈樹の音楽へと昇華している。
花を摘み束にする過程を”愛の蓄積”、
花束を贈ることを”愛情を注ぐこと”に見立て、
本作品は「BOUQUET」と名付けられた。
花は愛のかけら。このアルバムは彼が摘み集めた、聴く人へ贈る花束である。

アーティスト情報

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