Lyric

跪（ひざまず）いた神殿の庭で

君の名を呼んだ声は風に消えた

王の寵愛受けし聖女が

偽りの罪で紅蓮の裁きを受けた

「あなたが裏切ったのね」

震えるその声が耳を裂く

神の名のもと手を汚さず

笑った貴族に僕は人間をやめた

選ばれし者の光など信じはしない

焼け落ちた都こそが真実の聖典

この手で正義を断罪しよう

聖なる炎が天に届くまで

「裏切り者」と唾を吐かれても

君の嘆きを無駄にはしない

聖都よ灰となれ

それが僕の祈り

逃げた先で見た飢えた子らの瞳

彼らもまた神の偽善に捨てられた者

君を奪った玉座の陰で

長きにわたり血が流れ続けている

そして僕は神殿の剣を奪い

かつて誓ったその言葉を

今、反故にする

「命を守る」その誓いは

君を救えなかった日に死んだ

この手で正義を焼き尽くそう

祈りも罪も灰に還るまで

復讐という名の信仰が

僕を生かす最後の灯火

聖都よ崩れ落ちろ

それが僕の救い

炎の中で君の幻を見た

「それでいいの？」と微笑む影に

一瞬だけ剣が揺れたけど

もう戻れない戻る気もない

この手で運命を砕こう

誰もが口を閉ざす神の国で

君が笑うその幻に

報いるためだけに戦う

たとえ僕が地獄に堕ちようとも

それが僕の"救い"

聖なる都に風が吹く

焼け跡に花が咲くことはない

だが、その灰の中から

新たな祈りが芽吹くのだ