

7時10分 鐘が鳴る
空より先に 傘が咲く
ひとつ ふたつと数えれば
十一秒目 雨が降る
濡れた石畳 埃の匂い
指に残った 冬の欠片
あなたは時計を離れて
初めて空を見上げた
正しいはずの街の奥
小さな風が 目を覚ます
巡れ 巡れ 春よ
雨よ
土の匂いを返して
知らない春を
覚えている
会ったことさえ
ないのに
十一秒遅れた雨が
閉じた季節を ほどいてゆく
草を踏むたび
青い風が ほどけてゆく
裸足の奥に
夏がゆっくり 満ちてゆく
熟れた麦の香
夕餉の煙
知らない秋が
胸の奥で なつかしくなる
塔の光の 向こう側
雨を待つ土が 息をひそめる
咲き続ける 花の下
名もない種が 足音を待つ
その手を強く 結ぶほど
世界は静かに 息を止める
握った指を ほどくこと
それも愛と 呼べるなら
巡れ 巡れ 春よ
雨よ
土の匂いを返して
知らない春を
覚えている
会ったことさえ
ないのに
手放すほど
近づく朝を
ふたりは信じて 歩いてゆく
塔が生まれる その前から
わたしは雨を 覚えている
花は散るから 種を残し
冬は眠って 春を待つ
守ることは
閉じ込めることじゃない
愛することは
止めることじゃない
去った春なら
消えはしない
巡る道を
知っている
巡れ 巡れ 春よ
雨よ
すべての匂いを乗せて
知らない春を
覚えている
心より先に
この身体が
雪解けの野に
風が吹けば
もう一度ここで 会えるから
知らない春を
覚えている
会ったことさえ
ないのに
十一秒遅れた
あの日から
あなたの帰りを 待っていた
鐘より先に 鳥が鳴く
時計を見ずに 傘を閉じる
濡れた土から 立ちのぼる
懐かしい朝の匂い
知らないはずの
春なのに
なぜか涙が
こぼれそうだ
今年も、ずいぶん待たせたわね
- 作詞者
PhantomOdyssey AI
- 作曲者
PhantomOdyssey AI
- プロデューサー
PhantomOdyssey AI
- その他の楽器
PhantomOdyssey AI

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知らない春を覚えている
PhantomOdyssey AI
小説『季節を盗んだ街』の物語と情景を、音楽として残すために制作した主題歌です。
近年の主題歌のように作品の核だけを抽象的に重ねるのではなく、昔のアニメ主題歌のように、登場人物や世界、物語の始まりと歌詞が深く結びつく曲を目指しました。
七時十分の鐘、十一秒遅れた雨、濡れた石畳から立ち上る埃の匂い。時計によって季節を管理された街で、少年がまだ見たことのない「本物の春」をなぜか覚えている――。
小説が持つ五感の情景と、失われた季節を待つ高揚感、変化を受け入れることへの願いを一曲に込めています。
アーティスト情報
PhantomOdyssey AI
PhantomOdyssey AIは、AIによって創造された映像と音響表現を融合させる、物語クリエイター専属の音響レーベルです。 作者自身が構築したストーリー世界に最適な音楽を、AIの力を借りて丁寧に編み出し、視聴者に提供しています。 私たちの音は「作曲」ではなく、「共鳴」。 人間の感情、失われた記憶、そして物語の深層と共鳴する音風景をAIの手で形にし、映像詩として届けています。 --PhantomOdyssey では― 日常の枠を超えた冒険へあなたを誘います。 現実の境界が曖昧になり、見えないものが命を宿す世界へと飛び込んでみませんか? AIが生成する幻想的なビジュアルと、心の奥深くに触れるような音楽を通じて、宇宙の神秘、人間の葛藤、そして想像の彼方にある真実を探求します。 活動拠点 YouTube:PhantomOdyssey AI (https://www.youtube.com/channel/UCeAC8swdOTHotnxFKSQZsPg) Bandcamp:準備中 ジャンル AI生成サウンドトラック / シネマティック / 感情表現音楽 / ノスタルジック・アンビエント 制作方針 AIによる音楽生成(Sunoなど)を使用し、物語の演出として機能する音楽を提供しています。
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