

風のない夜に 窓を閉ざしたまま
時計の針が ただ僕を削っていく
遠い街の灯が 水面に滲んで
手のひらから こぼれ落ちてゆく
遠くで誰かの笑い声が
透き通るほどに 遠ざかっていく
灯りのない場所へ 静かに歩いていく
それだけを それだけを
もう願うだけの 夜が続く
ガラス越しの空は 灰色の呼吸
言葉を捨てた鳥が 影を落とす
僕という輪郭は 波紋に飲まれて
触れられぬほど 淡く溶けていく
鼓動がひとつ またひとつ
水底の闇に 沈んでゆく
誰も知らない海へ 音もなく沈んでいく
それだけを それだけを
もう許されたいと 願うだけ
名前も夢も 溶けてしまえば
僕は僕でなくてもいい
浮かぶ月が まぶたを閉じて
静かな底へ 誘ってゆく
灯りのない場所へ 静かに歩いていく
それだけを それだけを
もう願うだけの 夜が続く
灯りのない場所へ 静かに歩いていく
それだけを それだけを
もう願うだけの 夜が続く
声もなく 夜が続く
- 作詞者
葉山リナ
- 作曲者
葉山リナ
- プロデューサー
葉山リナ
- ボーカル
葉山リナ

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水底の月
葉山リナ
静かな夜、沈むような光の中で聴く歌。 光の届かない水の底で、静かに息をするように―― 「何にもなれない」という無力感を、水と月のイメージに重ねて描いた歌です。 暗くても、美しく。 沈黙の中にある祈りのような一曲。



