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歌詞

水鳥

NINA

そうして

滲んだ船影に手を振る

斜面の濃淡はターナーのよう

名付けないと気付けない

時間の移ろいを擦れば

下地が透けてオールウェザー

どんな日も変わらぬまま

水鳥が飛ぶ

風波が立つ

思い出のようで

未来のよう

いま描いた並べるカンヴァス

筆致が立って指で馴染ませる

テンダーボートで見た十字架

小さな教会子供が歌って

指が短いピアニストと

揺れる蜜蝋の眺めを通って

ラヴェンナの港から揺られ停泊

ねえ例えばもう少し指が長ければ

Cm7に彼は届いたのだろうか

目に映る夕陽はほらなんとなく

ピアノと馴染んで揺れていた残火

キャナハブアメリカーノ

ここはdeck4,1人の時間

風は手を噛む

朝がスローバック

揺れてレイバック

置き去りの言葉漂着

打ち上げられた姿がさ

引き上げられる待つ彼方

移ろいをいま捉えたら

見えない気持ちに身を寄せた

いったい何を見る明日は満月

いっかいくぐる雲と波噛んで

降りない水鳥いつも不安で

見送ったあの背中は窓

覗き込んだら見えるだろう

曖昧でも美しい顔

スピードは記憶を塗り替えて

置き去りにした言葉が飛ぶ

長さがイタズラして確かに

届かない景色あるわずかに

冷え込む前に夕陽に集まり

最後は半音下げる指先

ソから2鍵盤空けた

シ♭は黒い鍵盤

左手だけで弾くマイナー

名付けて気づく感情に死す

もしも指が長ければ

少し違った未来あるのかな

フラスコの中の誰かと話す

それよりも未来を励ます

やすらぎでなく背負う重さ

その中で開かれた音が

ターナーも見惚れた寒暖

なんだかそれを今日も歌った

  • 作詞者

    NINA

  • 作曲者

    sen.beats

  • プロデューサー

    NINA

  • レコーディングエンジニア

    KOHEI YOSHIDA

  • ミキシングエンジニア

    KOHEI YOSHIDA, nullheart

  • マスタリングエンジニア

    nullheart

  • ボーカル

    NINA

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NINA 1st album『sans son』

夕暮れの光から無音の中心へ。
音にならない感情を通り抜け、詩情を七つへ寄せる。
NINA、side b としての最初の航海『sans son』

アーティスト情報

  • NINA

    NINA:rapper,画家. 幼少期から絵に親しみ、京都でグラフィックデザインを学んだ後、デザイナーとして活動。20代後半、絵画を創作することに行き詰まり10年間絵が描けなくなる。そんな中で福岡の警固公園でフリースタイルラップに偶然出会い、ラッパーとしての道を歩み始めることになる。2018年から音楽活動を本格化し、ファーストEP「hug」がiTunes Store日本ヒップホップランキングで24位、セカンドEP「fish」、サードEP「B」が16位にランクイン。現在も音源制作と絵画で国内外の注目を集めている。

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