歌詞

うつろいは季節の中　指折り数えた

満ちる月を待ち　何度、何度、願ったのだろう

春は藤に桜萌黄［さくらもえぎ］　梅重［うめがさね］に恋した

夏は葵に撫子を透かして

夜が来ないようにって　歌をくちずさんだ

暁に餞[はなむけ]　今はもう語り部もいない唄

影裏[えいり]に重ね継がれた言ノ葉

時明かり　溢れる想いまで織りこんで咲きゆく

焦がれていた　羨んでた　ああ、望んでもいいの？

あの光を…

うつろうは時のあはれ　淋しさを胸に

交わす約束は　時と共に消えたとしても

秋は紫苑　初紅葉[はつもみじ］は朽葉［くちば］に頬を染めて

冬は雪の下、眠る椿へと

凍りつく心を溶かす夢を見てた

そう…わたしは生きた

ゼロになったとしても此処で確かに

月代［つきしろ］に戯れ　今はもう涙も枯れ果てて

さやかに憂い伝えた孤月よ

幾重にも彩る色襲［いろがさね］　孤独を塗り変えた

そんな嘘は脱ぎ捨てたの　もう一人じゃないから

差し出された手と手を…≪重ねた≫