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フシギナセカイへと 夜を明け渡そう
音のない夜には さあ踊り明かせばいい
見知らぬ外へと そろそろ行こう
窓を閉めないで また戻ってくればいい
僕の手のひら ぬくもり伝えたら
そうさ 願いはもうとどくよ 今夜
フシギナセカイへと 今生まれ変わろう
流れ星のように 遠く消えてしまえばいい
空に浮かぶ丘に そろそろ登ろう
虹の見える夜には 色彩を消してしまえばいい
君の黒い扉 この重い開けたら
そうさ 願いはもうとどくよ
月のかけらのベンチなんかいらない
雲の間のハンモックなんかしらない
稜線上のシーソーなんかみえない
ただ君と夢の続きを 確かめたいだけ
僕のこの願いが 星にとどけば
そうさ もうどこへでも行けるよ 今夜
君のその願いが 星にとどくよ
ふたり もうどこへでも行けるよ きっと
ワタナベサトシ(作詞作曲/ヴォーカル/ギター/ベース/DTMer/サウンドプロデュース)による音楽プロジェクト。90年代から宅録・バンド活動を続け、2010年代には東京を拠点に3ピースバンドとしてライヴを中心に活動。音楽性は広義のオルタナティヴに位置づけられるが、ポストロック、歌謡曲、実験音楽などを自在に横断する雑多でミクスチャー感覚に富んだサウンドが特徴。日本語へのこだわりを軸に、リズムで世界を旅するような音楽を志向する。 2023年に発表したファースト・アルバム『棺蓋録(Obituaries)』では、エクスペリメンタル、DIY、ポップスの要素が超次元的に融合。「ブラック・メルヘン」とも称される、唯一無二の音世界を築き上げた。 ストレートなバンドサウンドを基盤としながらも、より深く、鮮やかな叙情と幻影を描き出し、深化し続けるワタナベサトシの音楽の現在地が刻まれている2025年のセカンド・アルバム、『想追録(Reminiscences)』リリース後初のシングル。言葉にならない想いが、花となって空に舞い、やがて誰かの心に根を張る――。「OURS」は、『想追録』の叙情性を継承しつつ、さらに静けさと希望を湛えた、ワタナベサトシの新たな表現の地平を示す一曲である。戸惑いながらも誰かと歌を交わすこと、名もなき言葉を紡ぐこと。その行為の先に、痛みや迷いさえも美しい律動に変えていくような、静かな意志が息づく。ポストロック的な空間性と、日本語の響きに寄り添ったメロディ。過剰に語ることなく、それでも確かに「救い」を描こうとするこの歌は、言葉と音楽の力を信じる者たちへの贈り物である。
灰猫堂