幻燈は存もしない寓話にて、白色を纏った僕達に幾度か夜を越させようとする。
『僕は翌る日も、翌る日も空を眺めていた』。
『ずっと白夜の空には、天秤座は見当たらない』。
『透き通った泥濘は僕を離してくれない様で』。
『善悪の区別も付かない幼子に罪の償いをさせる様だ』。
『色々と、色々と思い出せないことが僕の身の上にあるみたいだ』。
『けれど、それは僕にとって大切なことではないんだ』。
『知らない電波を受信する必要はなくなったのに』。
『それでも出来るだけ、高く、高く』。
『空に向かってアンテナを掲げてなんかいる』。
空の色が数周目に入る。
昏れ、繰れど、
繰り返しを止めない。
彼の轟音の色について。
唯の雑音が、
温暖いのは、どうして?
直ぐ消える錠剤を口に含んで、
気付けば、明い方の空も昏れる。
世界の外側に飛ばす音楽、
また揺らぐ。「矩形波は何色」?
夜が降り出していた。
遮光しても、匂いで判るから。
夕は、展延した録音。
僕だけ罫線上。夢まで醒めて。
電波時計の替わりにさ、
僕が追い掛けるのは本の中。
忘れた約束。「また明日」。
朽ちて行く幻燈。嘘みたいな話。
客観、欠けた、侭の思考実験。
哲学者はいつか、
頭でっかちの怪物になる。
君の為の歌を歌う声は、
最大公約数的且つ、
君だけの為の、愛だ。
陽蔭で朝が来るのを待っていた。
夜の長さに辟易しながら。
陽が沈んだら、少し淋しくなって。
違うかな。ずっと淋しさは消えない。
雨は降り出していた。
遮光しても、匂いで判るから。
僕は、展延した失敗。
定刻通り。醒めた夢。
夜が迫り出していた。
遮光しても、匂いは刺す様で。
憂を、展延した昏い殻。
僕以外が罫線上。夢から醒めて。
未来予想図の替わりにさ、
僕が追い、懸けるのはあの日の言葉。
数奇な約束。「また明日」。
駆けて行く幻燈。「嘘みたいだ」って言う。
僕は、翌る日も白夜を眺めていた。
出鱈目な星座を灼き付けて。
欲深いお咒いが、どうか届く様に。
僕は、翌る日も高く、手を伸ばしていた。
- 作詞
Yunoshin
- 作曲
Yunoshin
Yunoshin の“幻燈は存もしない寓話にて、白色を纏った僕達に幾度か夜を越させようとする。 (feat. GUMI)”を
音楽配信サービスで聴く
ストリーミング / ダウンロード
- ⚫︎
幻燈は存もしない寓話にて、白色を纏った僕達に幾度か夜を越させようとする。 (feat. GUMI)
Yunoshin