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単一のソロアーティストによる自己顕示のラップや、既存のEDMフェス、あるいは商業的ポップスの洗練を100%パージし、「スタジアムに集まった8万人のノイズが地鳴りのように変異(Mutation rap)し、一人のMCの独白を飲み込んでスタジアム全体の集合意識(collective consciousness)へと一体化していく、偶発的で最高に熱い生命力のドキュメンタリー」――。BPM140(Aマイナー)の、ドキュメンタリーのフィールドレコーディング音源(documentary field recording upgraded into banger)がそのまま凶暴なクラブトラックへと変貌を遂げた、前代未聞の集団ハメ殺しヒップホップ・アンセムです。楽曲の主役を張るのは、通常のドラムキットを一切排除し、8万人が一斉に足を鳴らすような「肉体的な地鳴りの足踏み(crowd stomp as primary rhythmic anchor)」。そこへ、ゴールが決まった瞬間の地下鉄の轟音のような超低域サブベース(bass sounding like underground subway)が合流し、聴き手の運動神経をダイレクトに蹂躙します。
最大の快楽は、Creepy Nutsの『オトノケ』を思わせる不気味で呪術的・中毒性の高いメロディ(Otonoke haunted melodic hook)が低層で蠢くなか、日本語の正確な音節ラップDNA(Japanese precision-syllable rap DNA)と英語のワイドなストリート・エネルギー(English wide-vowel street energy)がシームレスに交錯するその音響設計。ボーカルは最初、センター軸の一人のMCの静かな語り口から始まりますが、フレーズを重ねるごとに周囲の雑音(ambient crowd noise)が焦点を結び、2人、10人、そして8万人へと「コールをレスポンスが完全に圧倒する(call-and-response where the response overwhelms the call)」バグじみた倍々ゲームを展開。サビ(フック)ではステレオ幅が左右140%のパノラマへと全開放され、3連符の超高速バーストフローと、単語一つで重着地するエッジィな抑揚が、理性を完全に置き去りにします。終盤のブリッジではビートが完全に剥ぎ取られ、人間の肉声と足踏みだけになる過激な引き算を敢行。最後はスタジオの自動フェードアウトに頼ることなく、群衆がサビのメロディをハミングする生々しい空気感のなか、リミッターがゲートを閉じるように言葉の途中でプツンと遮断。余韻を1ミリも残さずスパッと完全な真空の静寂(absolute digital vacuum stop)へと着地する、世界の愛おしい連帯を祝福する大傑作トラックです。
Negi0723は、感情の揺らぎと都市の空気感を繊細にすくい取るミュージシャン。 エレクトロニックとポップ、オルタナティブの要素を横断しながら、 きらめきとノスタルジー、衝動と内省が共存するサウンドを描き出す。 印象的なメロディと映像的なリリックが特徴で、 一瞬の感情や夜の断片を切り取るような楽曲世界は、 リスナーそれぞれの記憶や物語と静かに共鳴していく。 ジャンルに縛られず、感覚を信じて音を紡ぐ。 Negi0723の音楽は、日常と非日常の境界線をやさしく溶かしていく。