Lyric

「やったやった夏だ」

「やっとなった夏だ」

「最高の夏になりそうだ」

そう言っていたアイツに

そっとそっと僕は

夏滅ぶ呪文お届け

北陸生まれ　冬生まれ

平熱は３７度

どれも夏が嫌いな理由には

なれてないけれど

暑い暑い夏だ　本当熱い夏だ

汗も出るカビも生えていく

蒸しきった空気も最低の気分だ

でも全部が言い訳に見える

夏が嫌いな僕の目に映る

ただ打ち上がるだけの花火

君の浴衣に似た「色」「形」

紛らわしいんだよ

夏が嫌いな理由が消えても

君がいたのはこの季節

暑さで際立つ夏の香りが

記憶だけを呼び戻す

さぁ魔法をかけよう

そう夏だけが消える

なんてなんて馬鹿な事

言っていたら

９月夏も終わり始め

やったやった夏が　終われば君が

現れる事もなくなるね

夏が嫌いな僕の目に浮かぶ

夏以外の君の姿

雪の中佇む君の声は

あたたかいだろうな

いわばひと夏の恋だった

この哀しい男の僕

が嫌いな季節はふたつ

「夏」と「夏以外」のことだ

夜は六時まだ沈まぬ夕日

小さな広場に聞こえる

小さな声は蝉の鳴き声か

僕の泣き声なのか

必ず繰り返される季節は

必ず別れを呼び戻す

君の浴衣は僕が死ぬまで

残り続けるだろう

夏がもたらした奇跡の終わり

夏の責任でいいだろう

そうでもしなきゃ

やってられないよ

僕は夏が嫌いだから