Lyric

誰にも聞かれない今日の話を

スマホのメモに書いては消して

通知は広告とクーポンだけ

誰かに褒められたい靴が泣いてる

コートのポケットに入れたレシート

合計金額は生きてる証

今夜も湯船に沈めるのは

ため息とNetflixの予告編

「自由でいいね」って言われるたびに

うなずく自分の顔、よくできてるね

本音と建前のあいだにある

グラスワイン、ちょっとこぼしてしまった

一人分のごはんも慣れたし

洗濯物もちゃんと干すし

でもふとした夜に買ってしまう

ちょっと高いチーズ

誰かと分けたかっただけ

季節の変わり目に弱くなった

衣替えより先に心が崩れた

「今が一番キレイだよ」って

鏡が嘘をついてくれたらいいのに

オシャレなインテリア見ても思う

置く場所より掃除の手間が先に浮かぶ

恋より先に肩こりと暮らしてる

安定って、そんなに大事なの？

「もう焦ってないでしょ？」って笑われた

焦げたトーストみたいに答えが曖昧

強がることで守ってきたけど

ほんとはちょっとだけ抱きしめられたい

もう恋に振り回されないし

寂しさにも耐性あるし

でも帰り道　少しだけ寄った

輸入食品店で

またチーズを選んでしまうのはなぜ？

あの頃の未来に私はいない

だけど誰かの未来になってもいい

幸せの定義、誰かが決めた

でも私が書き換えてもいいんじゃない？

きっと誰かと暮らさなくても

ちゃんと笑っていけるけど

それでも時々　誰かと分けたい

このちょっと高いチーズ

このちょっと優しい夜

本当に欲しいのは

チーズじゃないって　気づいてるよ

だけど今日はこの味に

少し救われて眠るの