Lyric

かぎろひに 浮かびあがりし 聲の端

しろき絲に 紡ぎこめたり 祀りの罪

ほほえみて 堕ちゆくままの眼 いざ絡めとらん 朧の契り

くれなゐの 薫りたる 指の節 つばらなる 祈りをささげ縫う

いにしへの 禍をほどきし孤唖

きざしのまにまに 鳴きまどひたる 鈴の緒

あやなせし 絲に抱かれ 夢の奥ゆらめきて 咲きこぼれし 嘘の戀

さだめとも 謳いまがへて 誓ひを編み

われらが 還らぬ夜に 堕ちゆかん

ひさかたの 時雨しのびて つらぬけば

たまゆらに 叫びもせずに やみぬるを

一片の絲を手折りて 祓へども名を志は咎にとどまりぬ

つむぎのまにまに 裂けたる戀

たましひの 聲にこめたり 祀りの絲

さざめける 鈴のひびきに

まぎれたる 紛い物の戀なれど まこと 欲しければ

白妙の 肌へにうつす 紅の花

夢の中にて 咲きたるままに

いとをしも 解かずに起きてまたひとり 聲をまとう

あやなせし 絲に抱かれ 夢の奥

ゆらめきて 咲きこぼれし 嘘の戀

さだめとも 謳いまがへて 誓ひを編み

われらが還らぬ夜に堕ちゆかん

ひさかたの 時雨しのびて つらぬけば

たまゆらに叫びもせずに やみぬるを

一片の 絲を手折りて 祓へども名を 志は 咎にとどまりぬ

ささげたる 戀の祀りに 名をのこし

散る事も 無き絲のまにま ゆらめけば

果てしなき 願ひひとつを 胸に縫ひ

夢より深く 今を雅樂わん