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安易なお涙頂戴のバラードや、過剰にドラマチックなオーケストラの高揚、そして父の日に捧げるような記号化された感謝の応援歌のクリシェを100%パージ。「ふとした時のため息のつき方、車の停め方、深夜に理由もなく外を見つめる佇まい。年を重ねるなかで、かつて自分が『そうはなるまい』と思っていた父親の些細な癖が、自分自身のなかにいつの間にか、けれど確実に宿っていることに気づいた瞬間の、静かで圧倒的な肯定と普遍的な驚き(wonder and recognition)」を、BPM108〜122の歩行のテンポ(walking tempo not running)で美しく紡いだ、極上のオーガニック・インディーロック(indie rock, emotional pop)です。
最大の快楽は、スタジオ特有の過剰な味付けやピッチ補正(オートチューン)を完全に拒絶し、感情の透明度(emotionally transparent)をそのままパッケージした、温かく生々しい音響設計。古い窓から差し込む陽光のようなきらめきを放つ、オープンで鮮やかなエレキギターのアルペジオ(arpeggiated electric guitar [bright, open, jangly])が瑞々しい風景を描き、極限まで音数を絞ることで最大の情緒を醸し出すシンプルなピアノ(simple iconic piano)が合流します。マイクの振動板に唇が近づく至近距離で捉えられた温かい男性リードは、歌いながら当時を思い出しているかのような、かすかな声のかすれや息遣い(imperfect, occasional cracks, breath audible)をそのまま残した平熱の会話調で進み、サビ(コーラス)に突入した瞬間、ステレオ幅が左右140%のパノラマへと全開放。過剰に声を張り上げる(over-singing)ことなく、誰でも口ずさめるシンプルで必然的な旋律(simple inevitable chorus)を美しく響かせます。完璧なグリッドからあえてわずかにズラされた、部屋の空気感をそのまま吸い込んだ生ドラム(organic drums featuring human imperfections)と、メロディックに動き続ける温かいベース(warm melodic bass)が、確かな感情の重力(emotional gravity)を演出。終盤のブリッジでは、深夜の静寂に佇むような極限の引き算を敢行し、最後は安易な大サビの爆発に頼ることなく、言葉の途中でリミッターがゲートを閉じるようにプツンと遮断され、残響を1ミリも残さずスパッと完全な真空の静寂(instant cutoff)へと着地する、世界の愛おしい連帯を祝福する大傑作トラックです。
Negi0723は、感情の揺らぎと都市の空気感を繊細にすくい取るミュージシャン。 エレクトロニックとポップ、オルタナティブの要素を横断しながら、 きらめきとノスタルジー、衝動と内省が共存するサウンドを描き出す。 印象的なメロディと映像的なリリックが特徴で、 一瞬の感情や夜の断片を切り取るような楽曲世界は、 リスナーそれぞれの記憶や物語と静かに共鳴していく。 ジャンルに縛られず、感覚を信じて音を紡ぐ。 Negi0723の音楽は、日常と非日常の境界線をやさしく溶かしていく。