歌詞

街灯が薄く照らす　歩道のかたわら

凛として佇む　古いけやきの木

足早に過ぎゆく　人々の声が

いつもより遠く　聞こえてしまうんです

誰にも言えない　本当の気持ちを

飲み込んだまま　ひとり夜道を歩くたび

ふいに見る木の影が　伸びてゆくほど

自分自身の孤独も　長くなるようで

夜のけやきに　そっと手をあててみたら

何も言わずに　わたしを包んでくれる気がして

行き場のない涙も　その根元でなら

静かに落としても　責められないような気がするんです

SNSの画面には　友達の笑顔が並んで

「どこかに置いて行かれた」ような　心が痛みます

自分の居場所を　確かめたくても

本当の姿を　見せるのが怖くて

街の灯りが　風と踊る深夜に

けやきの葉は　わずかに揺れているだけ

季節が変わるたびに　わたしも変われるなら

きっと　こんなに苦しくはないはずなのに

夜のけやきの　静かなシルエットが

揺らぐ心を　そっと支えてくれているみたいで

吐き出せない想いも　受けとめてくれそうな

優しさをまとった　影がそこに映るんです

もしも　この先が暗闇ばかりでも

あなたがそこに　変わらずいてくれるなら

わたしは少しずつ　前に進めると思うんです

誰にも見えない夢を　そっと重ねながら

夜のけやきよ　わたしの願いを聞いてください

まだ上手に　大人になれなくても

見上げた空に　星が見えなくても

ここにいる意味を　探し続けていたいんです

あなたの足元で　小さな勇気を育てるから

どうか　変わらずにいてほしいんです