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「 アーバン・メロウな幻想と記憶を辿るノスタルジー」
70~80年代初頭のライト・メロウな感覚に溢れたフュージョン~AORなムードを持った爽快で繊細なグルーヴ感と、“癒し”を突き抜けた子守唄のような詩情豊かな美しいバラードが胸を打つ。
80年代からキーボード奏者として数多くのセッションを重ね、作曲家&アレンジャーとしても活躍してきた彼女の記念すべきファースト・アルバム!
フュージョンが持っていたアーバン幻想や楽園情緒がにじみ出る、穏やかなメロウ・グルーヴに彩られた本作が描き出すもの。
凡庸なサウンドトラックよりも映像を喚起させる独特の世界観は、日常からフッと別の世界への扉を開けるような、やわらかさと優雅さとを併せ持った神秘的なドラマ。
記憶の奥底に眠る楽園に向かって届いていくようなメロディー・ラインは詩的であり、その表現を南部独自の空間へと解き放って行くキーボードの音色にも“詩”は息づいている。
敢えて超絶テクを連発せずとも、楽曲全体の構造を見越したアレンジを俯瞰すれば伝わってくるウマさ。細やかにレイヤーされて構築されていく多彩な音色は、この作品を繰り返し楽しむ為の秘訣のようなもの。
アルバムの中には南部昌江の幼少期の原風景を見遣るような、素晴らしいバラードも目立つ。子供の頃感じていた夕暮れの寂しさや、大らかな家族の抱擁力を憶わせ、胸がつまりそうになる。シンプルなメロディーに凝縮される、普遍的な愛情の深みに触れるような静かな名曲たち。
アルバムを引き締めている、随所で光る松原正樹のソウルフル&ファンキー・カッティングによるギター・フレーズの小気味良さ、この気持ち良さも聴き逃せない。
楽曲によっては、豪快で奔放な“よくうたう”ソロ・フレーズも飛び出すところが、また憎い。フュージョン・フリークに存分に楽しんでもらえる1枚である。
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