ジュブナイル衆生回向のジャケット写真

歌詞

座礁鯨

伊東香

息子が言ったあの海の空

白く揺蕩うと羽衣の皺

歪み揺れる泡を湛えた水面

波の下にも都はあると言う

敷いた砂粒の一つの様に

うわついた無力感だけがこの形容なら

移り去る君の影が伝播する夜の

なつかしさを走馬灯にして寝る

息子があの日に泣いていた

強く生きなければ守れない

子等よ海神深く荒れる前に

老いた私を捨てて逃げてくれよ

幼い君は泡沫の恋の様

今だけは何もかも知らず生き延びて

苦しみ果てた時には思い出せ

君と私は同じ名の付いた鯨

蜃気楼の幻と

いつまでも唸り忍ぶ潮鳴りよ

子等よいつか生まれ落ちたこの世の

恨みつらみは奢りと知るだろう

君には幸せになってほしいから

澪標大人になるまでは耐えて

悲しみに暮れた時は思い出せ

君と私は同じ名の付いた鯨

飛蚊症の幻と

いつまでも暗い海の静けさよ

  • 作詞者

    伊東香

  • 作曲者

    伊東香

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