「あたしの居場所も過去も
どこにもない ないのよ
はあ もう疲れちゃった
ちょっと休もっか
ねえ、あのね あたしは弱いので
誰かを誘って魔法をかけるの
変なので昨日も明日も
地続きに眠らずどこへでも
生活の糸手繰り寄せて
笑われるくらいに夢に酔いしれた
ベンチの家 落ち葉が弾けて
ふわりと宙を舞うため息がひとつ
流るる足取り また振り翳すおとなし
痛い空虚すら量増し あぁ懲り懲りしちゃうわ
寂しい時も涙はそばにいないの
空っぽの体と心 もう愛さないで
あたしの居場所も 蓋をしたい過去も
いくらでもあるくせにどこにもないの
神様教えてよ 触れる温度を
あたしのアテなんてさ、どうでもいいでしょ?
ねえ、聞いて?さっき海を見たの
脈打つ水面に逆らいここへ来たよ
猫ちゃんの目をして睨んでも
海月もお魚もいなかったけど
免罪符ポケットに詰め込んで
今か今かとずっと待ち侘びて忘れてゆく
ドアベルの音 ひたぶるにうら悲し
あたしと二人でさ、遊びませんか?
こんなこと思いたくもないんだ
街が吐露した人の理
洒落にならない依存を背負って
耽美な行方をただ見守って
空っぽブランデー 今夜すべてのバーで
しかと鎖もて繋げ 一文無しで粗末ね
落ちゆく日々を何に縋って生きるの
紙っぺらに綴るは幻想 もう殺さないで
あたしの心も 裸の足裏も
傷まみれのはずでしょ なぜ痛まないの
わがなすすべと言葉誰を誘おう
女神になりそびれたあたしをどうしたい?
いつからそこで聞いていたの?
心のそばで笑っていたんでしょ?
きらきらの魔法もきっと使えるの
だってほらこんなに奇麗よ
笑えるでしょ、こんな心捨てずに
何度も食べられてきたのに
身に沁みる無声音 そっか、もう夜だ
あたしはもう居られないや
みんなおやすみ ららばいばい
愛してよ
世界の終りも あたしとも
さあさ切り離して、笑ってちょうだい?
けったいな日々すら隠さないで
はじまりに名前を教えて
あたしの居場所も 蓋をしたい過去も
いくらでもあるくせにどこにもないの
哀れな営みと瑣末な希望を
消えない様に抱えて煙になるまで
そんな詩のその続きを どうか願って
あたしの独り言なんて
届いちゃいけない ないでしょ
はあ また疲れちゃうな
ねえねえ、あなたはどう?
ちょっと休もっか」
- 作詞
阿亀屋
- 作曲
阿亀屋
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フーテン少女の独り言
阿亀屋
2024年6月にリリースされたデジタルシングル。ひとりの少女の呟き。ボーカルは初音ミク。
アーティスト情報
阿亀屋
ボーカロイドプロデューサー兼イラストレーター。作詞作曲、演奏、歌唱からアートワーク、映像まで全ての制作を一人でこなす。2021年よりボーカロイドを用いた楽曲をを動画共有サイトへ投稿開始。2022年にはアルバム『PATCHWORK』をリリース。 翌2023年にはデジタルシングル『にひるな夢』リリース。 2024年6月デジタルシングル『フーテン少女の独り言』リリース。 その後、2023年9月本名名義小山慧としてアルバム「MAYDAY」をリリース。
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