タンソ「テツとシオ……、行った?」
ラドン「行きましたよ」
タンソ「はーーっ、やっとラドンとふたりだ」
ラドン「あっ、テツが戻ってきました」
タンソ「え”!?」
ラドン「うそです(笑)」
タンソ「んもー」
ラドン「いいんですか?せっかくなのに、みんなで観光に行かなくて」
タンソ「疲れちゃったもん。ここでラドンと一緒にいるほうがいいよ。で、何するーっ?」
ラドン「私は……、ここに座って大地の声を聞こうかと。」
タンソ「大地……ねぇ……。」
ラドン「場所には記憶がありますからね。よく聞くと、歌のようなものを奏でていることもあるんですよ」
タンソ「んーー…いいけどぉ……、土と話すより僕と話そうよ」
ラドン「土…(笑)ふふ…」
タンソ「ねぇねぇ、今日の“湯沸かし”どうだった?僕、ちゃんと歌えてたよね?」
ラドン「ええ、素晴らしかったです」
タンソ「…うんうん…。…。えぇっ?それだけっ?ちぇ。もっと褒めてもらいたかった。いっぱい練習したのにさあ」
ラドン「欲しがりさんですね」
タンソ「褒められるの好きだもん…。…それにしても、テツ怖かったな」
ラドン「テツも悪い人ではないですよ。声がちょっと大きいだけで」
タンソ「そーなんだけど。僕はラドンみたいな人が落ち着くの」
ラドン「光栄です。…あ、みてください」
タンソ「ん?」
ラドン「私たちが沸かした湯に、癒されに来た人がいますよ」
タンソ「あー…うん」
ラドン「?あまり嬉しそうじゃないですね」
タンソ「こんなこと言ったら湯の神に怒られるんだけど…、ぜったい内緒にしてくれる?」
ラドン「?」
タンソ「ぼく…別に、みんなのために沸かしてるわけじゃないから…。温泉って、浸かってあったまったらみんなすぐどっか行っちゃうでしょ」
ラドン「癒されにきているわけですから。本来いるべき場所に戻ってしまいますね」
タンソ「そ。そんなのさみしいじゃん?ぼくはぁ、ずーーーーっと一緒にいてほしいの。そういうひとがほしいの」
ラドン「タンソは、さみしがりですねえ」
タンソ「そうかなあ。じぶんだけをみてくれる人が欲しいって、思わない?」
ラドン「ふふふ…」
タンソ「ラドンは、みんなのために沸かしてるの?疲れたみんなのために?そんなの慈善活動みたいじゃない?偽善じゃん?」
ラドン「私は…、奏でることが好きなんです。私たちが声を出せば、大地が呼応する。そうして湯が湧き出る。時に激しく、時に優しく、私たちの声と混ざり合う。その奇跡的な出会いを、私は美しいと思いますよ…」
タンソ「ふぅん……」
ラドン「その湯を求めて、か弱い生き物が集まってくるなんて…、ふふ…ゾクゾクしますね……」
タンソ「…そ…そうかな…」
タンソ「あーあ。愛されたいよ」
ラドン「こんなに愛されているのに、気づかないなんてねえ…」
タンソ「えっ?」
ラドン「愛していますよ」
タンソ「え!」
ラドン「みんな、ね」
タンソ「ちぇ、みんなか…」
ラドン「もちろん、わたしもね」
タンソ「ほんと?じゃあ、どこが好き?」
ラドン「そうですねえ…」
タンソ「あ、ちゃんと100個言ってね?」
ラドン「多すぎて、来世までかかりそうです」
タンソ「あれ、集合時間いつだっけ?」
ラドン「2時間後ですね」
タンソ「それまでに僕たちも、ちょっとだけどっか行こうよ」
ラドン「いや、私は、大地の声を…」
タンソ「むーっ!」
ラドン「もう…仕方ない子ですね。いいですよ。有馬にはまたくることがあるでしょう。何をしましょうか?」
タンソ「えっ、いいの!?えっと、じゃあ……」
ラドン「…わたしが行きたいところでいいですか?」
タンソ「んぐ…移動して、大地の声きくわけじゃないよね…?」
ラドン「ええ違います」
タンソ「よかっt」
ラドン「空の口笛を聴きに行くだけです」
タンソ「えええええ〜〜!?」
ラドン「うそですよ(笑)とっておきの場所です」
タンソ「よかったぁ……」
ラドン「ついてきてください。途中で帰りたくなっても離しませんよ。…なんてね?」
- 作詞
おんせんし
- 作曲
おんせんし
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有馬ドラマトラック「ラドンとタンソの休憩」
おんせんし
泉質アイドルユニット「おんせんし」 第二弾は有馬温泉をテーマにした「有馬でアリガト♪」。有馬温泉にまつわるドラマトラックをお届けします。
出演:放射能泉・ラドン(CV.羽多野渉)、二酸化炭素泉・タンソ(CV.増田俊樹)
アーティスト情報
おんせんし
おんせんしとは、合計10人で構成されるアイドルユニットのこと。10種類ある温泉の"泉質"から生まれたキャラクターで、音楽で「場を沸かし、湯を湧かす」をミッションに活動しています。温泉地ごとに泉質の組み合わせは変わるため、楽曲のメンバー編成も変わります。ソロ、デュエット、トリオ、グループなど、それぞれの温泉地ならではの組み合わせをお楽しみください。 「さあ、湯(YOU)をわかしにいくよ」
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