Absense Front Cover

Lyric

Absense

Kine Lune

誰も使わないグラスのように 声を棚に並べる

清潔に 手付かずのまま 役に立つフリをして

人はそれを「優しさ」や「気品」と呼ぶけれど

僕にはレースで飾られた 静かな処刑のように思えた

音のない木霊(こだま)の仕方を覚え

誰も振り返らない場所で 咲く術(すべ)を学んだ

これが僕の「不在の美学(アート)」

背を伸ばし 微笑んで 緊張を飲み込む

無色透明な空気に カモフラージュして

自分さえ そこにいるのを忘れるほどに

だけど もう一度描きたいんだ

消えもしない 曲がりもしない線で

足跡を消すための静寂が 聞こえるかい?

仕立ての良い「同意」という名の コートを羽織る

ディナーに相応しく 「刺激するな」と縫い込まれた

誰もが「手のかからないもの」を欲しがる

僕は 守ろうとしたはずの幽霊になった

怒りをすべて 縫い目に閉じ込めたから

糸が解(ほつ)れて 夢をバラバラにしていく

これが僕の「不在の美学(アート)」

波風立てず 誰の邪魔もせず

君は僕が消えていく様を 褒め称えたね

けれど 「いないこと」で愛されるのには疲れたんだ

潔癖で 整った姿なんていらない

ノイズを 汗を 悲鳴を寄越せ

縫い目から溢れ出す 僕の胎動が聞こえるかい?

滲(にじ)むために 生まれてきたんじゃない

影でも 追従者(イエスマン)でもない

なだめるために 縮こまるのはもうおしまい

これからは 真実の中の「摩擦」になってやる

不在の美学(アート)は もういらない

溢れ出し ひび割れ 昂(たか)ぶりを晒せ

フィルターなんて捨てて この肌を剥き出しにする

混沌(カオス)の勝ちで 構わない

「完璧な沈黙」という役柄に さよならを

折り重なる残響の中に 僕を刻むんだ

型にはまるために 溶けて消えるのはもうやめだ

僕はここにいた 行間に隠れていたわけじゃない

今度は 僕自身で アンダーラインを引くんだ。

  • Lyricist

    Kine Lune

  • Composer

    Kine Lune

  • Producer

    Kine Lune

  • Vocals

    Kine Lune

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