歌詞

青いランプが一度だけ瞬いて

眠りの底に置き忘れたログが滲む

指先、癖のかたちで並ぶパス

白い余白に名前を書き足すみたいに

誰も知らない場所に初期化の風が吹く

でも机の端に、君の手ぐせが残ってる

ゼロにするたび 君は薄く光る

消えたはずの線が 次の地図を引く

「さよなら」は完全じゃない、

プリズムみたいに どこかで合図をする

借りものの殻に呼吸を合わせれば

新品の匂いと、既視感が同居する

見えないキーバインドが勝手に走り

知らないフレーズが 懐かしく歌い出す

初期画面の向こうで、既読の夢が笑う

「ここまでの道は消せないよ」って、痕跡ごと

ゼロにするたび 君は薄く光る

消し跡の粒子が 未来の輪郭になる

「はじまり」は空白じゃない、

セクタ0には 君の体温がいる

初期化の風がまだ 胸をすり抜けていく

残響の粒子だけが 君を示してくれる

ゼロにしても 君は薄く光る

消去のノイズ越し 起動音が鳴る

「終わり」は停止じゃないよって

次の装置で、同じ癖が微笑む

ランプが二度、点いて消える

呼び名だけが 新しくなる