

九月の空を南へ渡り
季節をひとつ追い越した
ブリスベンの川を見下ろす窓に
知らない街の朝が来る
行き先だけを決めた旅
その先のことは白紙のまま
この国で生きる夢を探して
春の光の中を歩いた
ホテルのバーで隣り合った
三人の女性とグラスを交わす
生まれた国も歩いた道も
違う僕らが笑い合った
緑のピッチに響く歓声
ブラジルと日本の旗が揺れる
白いボールを追う若者たちに
見知らぬ誰かと胸を熱くした
明日になれば別々の空
二度と会わない人もいる
それでも確かにあの夜は
同じ時を生きていた
南半球の春の風
探していた夢はまだ遠く
名前も知らない人たちが
僕の心に春を残した
行き交う人の数だけ
それぞれの人生がある
たった一度の出会いさえ
忘れられない物語になる
ゴールドコーストの白い砂
波に追われて歩いた午後
パームメドウズの緑の朝
ノーマンのロッカーに胸が高鳴る
キャンベラで出会った老夫婦
宇宙を見つめる施設を訪ねた
ほんの短い道連れなのに
別れの言葉が名残惜しかった
シドニー湾を渡る船から
白い屋根越しに街を眺めた
名前も知らずに別れた人の
笑顔が今も胸に残る
チャイナタウンで髪を切り
店の人たちと肩を並べた
旅人だったはずの僕が
少しだけ街の人になった
聖火の消えたシドニーで
偶然出会ったパレード
祝福の声が街にあふれ
僕も笑顔で手を振った
南半球の春の空
探した夢は見つからなくても
帰りの鞄に入らないものが
僕の心についてきた
港を渡る風の匂い
名も知らぬ人の優しさ
二度と戻らないあの時間が
今も静かに息づいている
二十六年後の秋の午後
古いアルバムを開いてみた
写真を剥がした白い跡に
あの日の笑顔を探している
もしもあの国に暮らしていたら
どんな人生があっただろう
答えのない問いを抱えながら
窓の向こうの空を見上げた
南半球の春の風
もう一度あの海を渡りたい
まだ歩いていない街がある
まだ出会っていない人がいる
メルボルンの空を見上げ
パースの夕暮れを歩きたい
懐かしいシドニーの港から
新しい旅を始めよう
探していた夢は見つからず
それでも心は満たされていた
一度きりの出会いの中に
あの日の春が息づいている
人生という長い旅には
まだ白いページが残っている
九月の空を南へ渡れば
あの春の続きが待っている
- 作詞者
Alexsophie
- 作曲者
Alexsophie
- プロデューサー
Alexsophie
- ソングライター
Alexsophie
- プログラミング
Alexsophie

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南半球の春 ~心の旅~
Alexsophie
アーティスト情報
Alexsophie
私はソングライティング・アーティストとして、自身のビジョンと言葉を起点に楽曲を設計しています。 制作ではAIを編曲や音像設計を拡張するための制作ツール(楽器)として活用し、最終的な表現と判断はすべて自ら行っています。 Alexsophie名義で、Apple Music、Spotify、Amazon Musicなど主要音楽配信プラットフォームに作品をリリース。 YouTubeでは楽曲作品を、Instagramでは制作過程や作品世界を発信しています。 アーティスト名は、愛犬Alexと愛猫Sophieに由来します。 人間の感性とテクノロジーの可能性を融合させ、静かな余韻と物語性を大切にした楽曲制作を行っています。
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